きょういくじん会議
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今後は盛んになる? 世界の日本語教育事情
kyoikujin
2008/5/14 掲載
日本語練習帳 (岩波新書)

 お店などで流暢な日本語を話す外国人の店員さんに出会ったことがある人は多いだろう。きっとその人たちは、日本語を話すために母国や日本で一生懸命勉強したに違いない。では、世界では、どのような日本語教育が行われているのだろうか。

海外の日本語教育の拠点を100か所に

 4月26日の朝日新聞によると、独立行政法人国際交流基金が、今後2〜3年で海外の日本の教育の拠点を100か所以上に増やす計画を進めているという。基金では、今まで日本語講座などを行ってきた海外事務所などを拠点とし、現地の大学と連携をとり、専門家の派遣や現地の教員の訪日研修などを行うとのこと。拠点が増えれば、日本語を学ぶ学生は増える可能性があり、留学へのきっかけともなりそうだ。

世界における日本語教育

 では、世界ではどのくらいの人が日本語を学んでいるのだろうか。
 例えば、アジア圏では、日本語を学んでいる人が多い。中国では、約68万人が日本語を学んでいるという。中学校段階では、英語に次ぐ第2外国語として、また英語が苦手な生徒が英語の代わりとして学習する場合が多いそうだ。韓国の高校では、第2外国語が必修となっており、日本語は第2外国語に指定されている言語のうち、もっとも履修者が多いという。総学習者数は、約90万人おり、そのほとんどが初等中等教育の学生だという。
 独立行政法人日本学生支援機構の調査(PDF)によると、日本に留学している外国人の中でもっとも多いのが中国で、第2位が韓国。中国人の留学生は、74000人以上、韓国人の留学生は15000人以上と、他の国からの留学生を大きく引き離している。アジア圏の留学生が日本で多い理由は、さまざまあると思うが、小さい頃から日本語を学んでいるということも、留学の一因かもしれない。
 そのほか、各国の日本語教育の詳細は、国際交流基金の日本語教育国別情報で知ることができる。

 拠点が増えることもあり、今後はアジア圏だけでなく、いろいろな国で日本語を学ぶ人が増えるかもしれない。日本語を学ぶとともに、日本に興味をもってくれる人が増え、国際交流が進むことは望ましいことだろう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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