きょういくじん会議
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突然の雨に「シブカサ」―広がる傘シェアの取り組み
kyoikujin oec
2008/6/21 掲載
もったいない

 初夏から夏にかけては、突然の雨で往生することもしばしば。そんなときに助かる「貸し傘」サービス。子どもたちにリユースの精神を伝えるためにも役に立っているようですが、最大のネックは返却率の悪さ。それを解決するためにユニークなアイディアを導入した渋谷の「シブカサ」プロジェクトなどが、梅雨を迎えてますます注目を集めているようです。

傘を通じてエコを考える

 かつての日本はリサイクル・リユースの文化が根付いていました。江戸時代の和傘は油紙を張替えて修繕し、何度も使われていたのに対して、現代では安価なビニール傘が普及し、傘の使い捨てに罪悪感を感じないという人も多くなっていると思われます。
 しかし、傘はビニール部分と鉄の部分の分離が難しく、非常に分別しにくいゴミなのです。

傘シェアの成否は返却率

 捨てられた傘を誰でも使える資源としてリユースしようという試みは、全国の自治体で徐々に広がりを見せているようで、玉川学園町内会善意の傘のように、住民が中心となった地域密着型のプロジェクトでは傘シェアが定着している例も少なくありません。
 ですが、大規模なプロジェクトになるほど、返却率の低さが問題となる例が多いようです。例えば東京都の私鉄・京王線では、全駅で傘シェアのプロジェクトを展開したことがありましたが、3年前、朝日新聞の記事にあるように、返却率の低さから取り止めになってしまいました。
 渋谷の「シブカサ」では、返却率を高めるため、返却した人に50円相当の「アースデイマネー」というクーポン券を渡すという試みで、シェアの定着を図っているようです。しかし何よりも重要なのは、私たち借りる側がリユースの意識を高め、ものを大切にする気持ちを育むことではないでしょうか。
 また、この「シブカサ」の主催者は大学生のグループだそうです。日ごろの自分に無力感を感じている子どもたちに対して、こういうことをしているお兄ちゃん・お姉ちゃんがいることを教えてあげることも、教育上価値のあることかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/6/24 12:55:22
    ビニール傘、本当に増えましたよね。
    置き傘、折り畳み傘も「ビニール傘の使い捨て」とともに減っているのでしょうか・・・。
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