きょういくじん会議
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初の全国体力テスト、参加校は7割に
kyoikujin
2008/6/14 掲載
子どもに「体力」をとりもどそう―まずはからだづくりだ!

 文部科学省は11日、初の全国体力テストとなる「平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の参加学校数等の状況を公表した。公表された資料によると、小・中学校ともに参加率は全体の72%。参加学校では、調査対象児童生徒数の243万6千人のうち164万4千人が参加する予定だ。

 この調査は、小学校第5学年及び中学校第2学年の全児童生徒を対象として行い、全国的な子どもの体力状況を把握・分析しようとするもの。調査の実施に先立ち、3月から4月にかけて各学校の参加意識調査が行われた。

 公立校について都道府県別にみると、14県が小・中ともに全校参加し、過半数の都道府県で8割以上の学校が参加する一方で、滋賀県(小学校10.4%、中学校12.0%)、兵庫県(小学校13.3%、中学校9.2%)、岡山県(小学校16.3%、中学校25.0%)など参加率の低い県も見られた。
 全国学力・学習状況調査(学力テスト)の体育版を目指した今回の調査だが、学力テストがほぼ全ての公立小中学校が参加したのに比べ、低い参加率となっている。

 この要因の1つとして、全国の教育委員会に実施が伝えられたのが3月と遅かったため、秋に独自調査を予定していた多くの学校がカリキュラム変更の困難を理由に参加を見送ったことがあげられる。この点について、文部科学省は、4月4日の日本経済新聞が報じているように、秋に体力テストをしていた学校の不参加を容認する方針を示していた。
 また、従来行ってきた体力・運動能力調査もあることから、必要性を疑問視する声もあった。

 ちなみに、平成20年度の学力テストで唯一の不参加だった犬山市教育委員会は、5月28の毎日新聞の記事によると、体力テストについてもテスト結果など個人情報の保護の観点から参加を保留している。その一方で、同市の校長会では、「体力テストと同時に生活習慣調査が行われ、双方の因果関係を知ることができる点を評価する意見が多かった」ともいう。

 参加校では7月までの期間に調査を実施する。結果の公表は12月の予定だ。都道府県ごとの公立学校全体の状況も公表される模様だが、参加率が10%の県もある状況で果たして有益な分析がなされるのか、疑問の声も出てきそうだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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