きょういくじん会議
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移行措置告示―中学校数学科のポイント
kyoikujin
2008/6/18 掲載

 今次の学習指導要領の改訂で、大幅な授業時間数の増と、それに伴う学習内容の増がみられた中学校数学科。13日の移行措置の告示により、平成24年度の完全実施までの行程が明らかになった。

授業時数の増

 中学校数学科では、第1学年では平成21年度から、第3学年では平成22年度から、それぞれ35単位時間ずつ授業時数が増加することになっており、平成22年度からは完全実施の平成24年度と同じ体制で指導が行われることになる。前回の指導要領改訂で高等学校に先送りされた内容の前倒しを中心に、新しい指導要領に多くの内容が加えられることを見越しての配慮と言えそうだ。

内容面の変化にどのように対応するか

 第1学年では、平成21年度からさっそく、新しい指導要領に基づく指導が行われていくことになるが、以下のような内容が新たに加えられた。

「数の集合と四則計算の可能性」
「文字を用いた式による表現や読み取り」
「簡単な比例式」
「図形の移動」
「投影図」
「球の表面積・体積」
「関数関係の意味」

 さらに、新領域「資料の活用」の「分布と代表値」の単元で、ヒストグラムや代表値などの内容が扱われることになる。
 先述のとおり、前回の指導要領改訂で高等学校に先送りされた内容の前倒しが中心であることから、平成元年版の学習指導要領下ではどのような指導が行われていたのかを見直すことなどで、現段階からある程度の事前準備は可能と考えられる。

方法面の変化にどのように対応するか

 新しい指導要領では、各学年の内容と並んで、「数学的活動」の例が示されたが、『小学校及び中学校の学習指導要領等に関する移行措置並びに移行期間中における学習指導について(通知)』(PDF)では、「平成21年度から平成23年度までの第1学年から第3学年までの数学の指導に当たっては、新中学校学習指導要領第2章第3節第2の2〔数学的活動〕に規定する事項を加えることができる。」とされている。
 活動の例が示されたものの、特定の内容とのかかわりを明示した具体的なものとはなっていないため、「数学的活動」をどのように指導に位置づけていくかは、移行期間中の大きな研究課題になりそうだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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