指導要領「解説」体育編―体つくり運動の内容が明確に
2008/7/18 掲載
- きょういくじん会議
1日に文部科学省より公表された小学校学習指導要領解説。「生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てる」ことが重視された体育編(ZIP)では、1学年から取り入れられることになった体つくり運動と、他の学年と同様に6領域となった低学年の具体的な運動内容も明示された。
今回の小学校体育科の運動領域における改訂の要点は、以下の通り。
- 生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を培う観点を重視し、(…中略…)児童の発達の段階を踏まえ指導内容の明確化を図ること。
- 指導内容の確実な定着を図る観点から、運動の系統性を図るとともに、運動を一層弾力的に取り上げることができるようにすること。
- 体力の向上を重視し、「体つくり運動」の一層の充実を図るとともに、学習したことを家庭などで生かすことができるようにすること。
体力の低下や、運動をする児童・しない児童の二極化が懸念される中、体力の向上が重視されると主に、児童の発達段階を考慮して、弾力性・系統性が強調される内容となっている。
中でも、身につけさせたい内容の曖昧さなどが指摘されていた低・中学年の「基本の運動」は、「体つくり運動」として1学年から6学年まで発達段階に応じた指導内容で体系化され、今回の解説ではその具体的な例示が示された。「多様な動きをつくる運動遊び」では、体のバランスをとるための「回る」「寝転ぶ・起きる」といった運動や、体を移動するための「這う・歩く・走る」「跳ぶ・はねる」「一定の速さでかける」などの運動内容が例示されている。これまでの「基本の運動」で示されていた、用具の操作や力試しの運動も含まれる内容となっている。
これまでの2つから他学年と同様の6つとなった低学年の運動領域でも、それぞれの具体的な例示が示され、「体つくり運動」以外の種目、指導内容は、2学年の内どちらの学年でも取り上げることができる、など弾力性を意識した配慮が加わった。
また、今回注目すべきは情緒面・論理的思考の発達が重視されたことだろう。体育での集団活動を生かして、コミュニケーション能力や論理的思考力を育んでいくことも求められそうだ。
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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