- きょういくじん会議
1日に文科省より「小学校学習指導要領解説」が公表された。図画工作科編(ZIP)では新設された〔共通事項〕に関して、解説でより具体的な活動内容が示された。
共通事項について
新設された共通事項については解説で以下のように示された。
〔共通事項〕は、表現及び鑑賞の活動の中で、共通に働いている資質や能力であり、児童の活動を具体的にとらえ、造形的な創作活動の基礎的な能力を育てるための視点として新たに加わった事項である。
(略)形や色などの特徴をとらえたり、イメージをもったりする能力は、表現及び鑑賞の活動の基になるとともに、対象からの情報を的確にとらえ、それを主体的に判断するコミュニケーション能力の基盤となるものであり、この内容を〔共通事項〕とした。
共通事項は全体にかかわるので、それだけを題材とするようなものではなく、これまでの表現や鑑賞の授業を共通事項の視点で見直すことが重要であるとされた。共通事項の内容を重視した指導は、例えば中学年では以下のように示されている。
児童が絵の具を混ぜてできた色や、彫刻刀で彫った線などに、どのように感じをもったのかを、児童自身が気付き、表し方を工夫するような指導の工夫が求められる。
あらかじめ色の混ぜ方や線の彫り方を教えてしまうのではなく、子どものイメージに共感し、寄り添う授業の工夫を求めるもので、図画工作科の主体が子ども達自身であることを確認した内容といえる。
その他の新設事項について
言語能力の育成に関しては、他者との交流を重視した協働作業やゲーム的活動(中学年以上)や、鑑賞活動において友だちの話しを聞いたり、意見を交換し合うといった言語活動を充実させることが示された。また、高学年の伝統文化の鑑賞においては「自分たちのよさを再発見する視点」が重視されることになった。
今回の改訂で、低学年では幼稚園教育との関連について新たに書き加えられたが、解説では、体験活動を中心に自己表現を行う幼児の発達特性を参考にして、同様の特性をもった低学年児童の指導を工夫するように示された。生活科など他教科との連携もより積極的に行うことが求められている。
道徳教育との関連では、つくる喜びと、そこから生まれる他者の作品への尊重を重視することが示された。
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