きょういくじん会議
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保護者も学校教育に携われる!? 学校評価ガイドライン改定
kyoikujin
2008/7/21 掲載

 学校に対し、理不尽な要求を突きつけるモンスターペアレント。今、教育に関心のある人の中で、この単語を知らない人はほとんどいないでしょう。この夏にはテレビドラマも放映され、その言動に対する批判も高まっていると言われています。
 しかし、保護者の方の中には、度を越したものではなくとも、子どもが通っている学校の教育に疑問を持たれたことのある方も多いのではないでしょうか? 保護者も学校教育の改善に携われる、そういった制度に注目してみました。

 以前のきょういくじん会議でもお知らせした通り、近年見直された制度に「学校評価」という制度があります。学校評価は、「自己評価」「学校関係者評価」「第三者評価」の3種類の評価で成り立っていますが、この中の「学校関係者」に、保護者や地域住民も入っているのです。

 具体的にはどういった流れで学校が評価されるのでしょうか? 2008年1月に改定された「学校評価ガイドライン」に沿った評価の主な方法は、@まず学校が、保護者・子どもからのアンケートも参考にしながら自分たちの取り組みを振り返り、自己評価を行う。その結果を、A保護者や地域住民などでつくる委員会(学校関係者評価委員会)によって評価してもらう、というものです。また、学校とは直接関わりを持たない専門家(第三者)による客観的な評価も行われます。
 ガイドラインでは、学校は、評価委員会に対して重点目標や自己評価の結果を説明した上で、実際に学校で行われる教育活動を参観してもらうことや、双方が話し合って改善点を掲げることが求められています。学校側にはきちんと活動を振り返って説明する義務が、評価委員会には学校の方針や活動を理解し、教育を学校に任せるのではなく、自分たちも責任を負う覚悟が必要とされているのではないでしょうか。

 学校評価ガイドラインが改定される以前、2006年度に行われた先行調査では、学校関係者評価の実施率は49.1%、公表率は38.7%と低い数字でした。ガイドラインが改定され、学校関係者評価が努力義務となって半年が経とうとしています。まだまだ発展途上のこの制度、これからの実施率の拡大や地域・家庭と学校との連携を期待したいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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