- きょういくじん会議
14日に文部科学省から公表された中学校の指導要領解説。国語編(ZIP)では、目標や指導事項に頻出した「考え」をまとめたり、広げたり、深めたりするための手立てについて具体的な内容が示されるなどした。
ここでは、話すこと・聞くこと、書くこと、読むことの3領域について、最大の目玉である「言語活動例」具体化のヒントがどのように示されたかということに絞って、特に、義務教育の最終段階である第3学年中心に見ていきたい。
話すこと・聞くこと
今回新たに示された「相手を説得するために意見を述べ合う」については、説得するということについての定義づけと具体化の方向がかなり詳細に記述された。「説得」が話の内容を相手に理解させ納得させることであり、そのために論理的に話すこと、分かりやすい語句を選択すること、相手や場に応じた言葉遣いをすることなどが示された。
指導が非常に難しいといわれている「話し合う能力」の育成については、話合いが効率よく進むように、進め方を提案したり、展開を客観的に把握したりするなどして協力的に進めていくよう指導することが示された。しかし小学校低学年から指導することになっている「合意形成」をどう図るかということへの具体的な手立てについては詳述されることはなかった。
書くこと
今回新たに示された「批評する文章を書く」「様々な文章などを集め、工夫して編集する」というかなり高度な言語活動については、それぞれ定義づけと具体化の方向性が詳述された。特に「編集する」という言語活動は、文章を書く力だけでなく、いくつかの文章などを書いて組み合わせることを通じて、総合的に考えたり伝えたりする力を高める上で効果的であるとされている。
読むこと
注目された「読んで批評する」という言語活動については、適切な批評についての留意点が示され、「同じ作者による複数の作品」や、「類似したテーマの作品」を読み比べることなどを通して、作品を分析する力を育てていくことがまずは重要であるとされた。
この他、自分の読書生活の方向性を振り返り、今後はどんな本を読んでいきたいかなどを考え実際に読んでいくような活動が示されたことにも留意したい。