- きょういくじん会議
14日に文部科学省から中学校学習指導要領の解説が公表された。体力の低下を受けて、各学年90時間から105単位時間となった保健体育編(ZIP)。体育では、発達の段階に配慮した体系化が図られ、情緒面や知的な発達、コミュニケーション能力の育成なども考慮した指導内容の具体例が明示された。
体育では、発達の段階に配慮して、ダンス、武道を含めすべての運動領域を履修する第1学年及び第2学年と、「体つくり運動」と「体育理論」を履修とし、それ以外の領域を選択とする第3学年に指導内容が分けられた。
また、今回の改訂では、運動領域が見直された。第3学年で選択できる運動領域は、技を高める、記録に挑戦する、表現するなどの共通事項が期待できる「器械運動」「陸上競技」「水泳」「ダンス」と、集団や個人で攻防を展開することが期待できる「球技」「武道」の2つにまとめられた。
球技でも、「生涯にわたって運動に親しむ資質や能力」を柔軟に育むことを目的として、運動の特徴ごとに「ゴール型」「ネット型」など各種目が3つの領域にまとめられた。このように運動種目が特徴別・目的別になることで、技術習得の視点から運動を通して何を学ぶかという視点に徐々に移行しているようにも感じられる。
全学年で必修となる「体つくり運動」は、学年ごとに7単位時間以上を配当することとされ、充実が図られた。指導内容も、心と体の関係に気づくことを重視し、二人組や仲間と協力して行う運動の例示が多く記載されている。特に第1・2学年では、仲間と交流しコミュニケーションを促進する運動、第3学年では、実生活に応用できる運動の選択が求められることになりそうだ。
今回の改訂では、運動を通して仲間と交流し、自分を知ることで育まれる、思考・判断力やコミュニケーション力などの重要性も強調された。保健体育の授業で生徒たちが学べることの可能性は、少しずつ広げられているのではないだろうか。
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