きょういくじん会議
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自然ともっと仲良く 乳幼児の環境教育
kyoikujin
2008/9/6 掲載

 夏休みに子どもたちと海や川、山へと出かけ、よい夏の思い出をたくさんつくられた方もいらっしゃると思います。もっと子どもたちに身の回りの生き物や、自然の大切さを伝えることができたら、そう思われた方も少なくないのではないでしょか。そんな方へ子どもと一緒に、自然ともっと仲良くなる方法をご提案します。

 先頃、文部科学省が発表した幼稚園教育要領によると、乳幼児期の自然とのかかわり合いについて、下記のように触れています。

 幼児期において自然のもつ意味は大きく、自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに直接触れる体験を通して、幼児の心が安らぎ、豊かな感情、好奇心、思考力、表現力の基礎が培われることをふまえ、幼児が自然とのかかわりを深めることがように工夫すること

 こうした文科省の指導方針に沿うような資格が、(財)日本生態系協会が主催する「子ども環境管理士」です。幼稚園教諭や保育士の資格保持者に、正しい自然の知識や触れ合い方を身に付けてもらうことで、自然や人への思いやりを発達期の乳幼児に育んでいこうと、昨年からスタートしました。

 ところが一般の方からの問い合わせが思いのほかあったことから、受験資格を「保育に関わりのある方」とし、今年から一般の方でも、受験できるようになりました。8月21日の産経新聞の記事では、「子どもたちの興味を広げたり、生き物にも気持ちを寄せられるようにした」りと、資格取得者の活躍の様子を伝えています。

 資格試験はちょっと…、という方、こちらはいかがでしょうか? 栃木県総合教育センターのホームページでは、幼児から高校生までを対象としたフィールドワーク教材が用意されています。教育現場で使えるようにワークシート形式になっており、指導の進め方、実施上の工夫、留意点などもわかるようになっています。また教育現場の方だけでなく、一般の方も活用できる内容であるのも特徴です。

 他にも幼児ならではの、絵本の読み聞かせから自然の大切さを知ってもらおうと社団法人ユネスコ協会連盟では、幼稚園や小学校へ自然環境を題材にした絵本の無償提供の応募を9月10日まで受け付けています。また北海道庁のホームページでは、近年見かけることが少なくなった蛍を題材とした絵本が公開されており、見ることができます。

 夜に虫の声が聞こえはじめる季節となってきても、自然と触れ合う機会はまだまだあります。秋の夜長に資格勉強をするもよし、子どもたちと、紅葉狩りやきのこ狩りで自然を感じるのもよいかもしれません。この機会にもっと自然と仲良くなってみませんか?

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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