- きょういくじん会議
![なぜ高専の就職率は「100%」なの?](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4286017737.01.MZZZZZZZ.jpg)
高専(国立高等専門学校)が充実への動きを見せている。
中学卒業後、5〜7年一貫の専門教育によって実践的・創造的技術者を養成する高専は、5月28日の産経新聞の記事の中で進学希望者の減少が報じられているが、文科省が充実に向けての振興策をまとめ、議論がなされているところであった。
ふえる専攻科進学希望者−定員拡充へ
2日の朝日新聞の記事によると、高専の本科から専攻科に進む人数はふえ続けている。理由には、大学と比べての授業料の安さや、高い就職率、審査を通しての高い学位取得率などが挙げられる。また、企業が高専専攻科の卒業者を評価していることもあり、理系のひとつの進路として、大学よりも魅力的にうつるのかもしれない。
この専攻科への進学希望者の多さに応え、定員の拡充が議論されてきたが、同記事によると、中央教育審議会大学分科会が7月にまとめた高専教育の充実を求める答申案にも、専攻科については、学生と企業のニーズがともに高いとし、「地域や各高専の実情に応じ、入学定員の拡充を含め、整備・充実を図っていくことが適当」とされている。やはり今後定員拡充によって、専攻科のへの進学率が増大する動きにあるようだ。ただし、本科への進学希望者減少の問題はどうするのか、疑問は残るところだ。
高専の産業界・地域との連携
産業界や地域との連携にも動きが見られる。
先月26日には、全国55カ所の国立高専を設置・運営する国立高等専門学校機構と、JST(科学技術振興機構)が産学連携協定を結んだ。これまで、高専ごとに地域の企業との連携がなされていたが、全国16活動拠点で地域科学技術関連事業を進めているJSTとの協定により、高専機構にとって人材が不足していた特許取得や地域の中小企業への技術移転の分野で、組織的に支援が行われることになりそうだ。
また、高専機構は、地域社会との連携の強化をを目指した新モデルの「スーパー高専」設置に向けた高専の高度化再編計画をすすめている。
「スーパー高専」では、専攻科の定員拡充のみならず、「地域社会のニーズに沿った学科構成、専攻科の拡充、共同利用型のセンター設置」などを柱として、教育の質の向上や地域社会との連係機能の強化を目指している。宮城、富山、香川、熊本の4地区での新モデルの高専設置に向けて、具体的な構想(PDF)がまとまっているが、地元企業との共同研究や、地域産業界への技術支援などの内容が盛り込まれており、産業界・地域とのつながりが強くなることに期待がかかる。
今後、ますます高専への視線が集まっていきそうだが、規模の小さい高専が少子化時代をどう切り抜け、日本の技術を高めていくのか、注目したい。
- 新モデルの「スーパー高専」設置へ!!(独立行政法人国立高等専門学校機構)
http://www.kosen-k.go.jp/news/news20080822.html - 高専、産学連携を加速 マイクロソフトと人材育成 JSTと技術開発協力(FujiSankei Business i. )
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200809030027a.nwc
![](/common/img/banner/merumaga_w655h70.png)