- きょういくじん会議
![コースター チョコレート CDT-B-5](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41XpiK475XL._SL180_.jpg)
子どもの好きな食べ物、といったら何を思い浮かべますか? ハンバーグ、カレー、プリン、ケーキ…これらに共通するのは、やわらかくてよく噛まなくても食べられる、ということです。「とろける食感」や「なめらかな舌触り」を売りにした商品も流行している今、特に子どもたちの噛む力の低下が目立つようになってきました。よく噛むことは生活習慣病や肥満の予防にもつながることから、教育現場でも、子どもたちの噛む力を見直そうという動きが出てきています。
8月26日の産経新聞の記事によると、子どもたちによく噛んで食べる習慣の大切さを知ってもらうことを目的として学校の先生が考案した、「かみかみセンサー」という教材の商品化が決定したそうです。この装置のスイッチをあごに取り付けると、あごの上下運動を感知して咀嚼(そしゃく)回数が表示されるといい、「食育」への関心が高まっている学校などでの需要が見込まれています。
しかし、そもそもなぜ「よく噛んで食べる」ことが重要なのでしょうか?
まず、よく噛むことによって唾液の分泌量が増える、ということが挙げられます。唾液の中には食べ物の消化・吸収をたすけるアミラーゼや、細菌・発がん性物質を減らすラクトペルオキシダーゼといった酵素が含まれています。そのため、唾液を盛んに分泌することで、栄養を体内に取り込みやすくしたり、病気の予防もできるといいます。
また、よく噛んでゆっくり食べることで、脳にある満腹中枢が刺激され、食べすぎ・肥満を防ぐことができます。同時に、噛むことであごがポンプの役割をし、脳の血流がよくなるため、知能の発達と関連があるとも考えられています。
これらの他にも、歯が丈夫になる、免疫力を高める、精神が安定するなど、「噛む」という行為は意外なくらい幅広く健康に関わっています。
よく噛むことを指導する方法としては、カレーなどいつものメニューにキノコや根菜を加える、野菜などの食材を少し大きめに切る、といったちょっとした工夫から始めると比較的子どもにも受け入れられやすいそうです。また、「かみかみセンサー」の例のように、普段どれくらい噛んで食べているのかを子どもに意識させることも大切です。
子どもに「よく噛んで食べなさい」と注意するよりも、「早く食べなさい」と注意する保護者が増えている、という指摘もあるようです。もうすぐ食欲の秋。お子様と一緒にしっかり噛んで、秋の味覚を堪能してはいかがでしょうか?
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