きょういくじん会議
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日本特殊教育学会第46回大会、19日より3日間開催!
kyoikujin
2008/9/19 掲載
この子らを世の光に―近江学園二十年の願い

 19日より3日間、米子コンベンションセンターにおいて日本特殊教育学会の第46大会(2008山陰大会)が開催される。
 日本特殊教育学会は、「わが国における特殊教育の科学的研究の進歩発達を図ること」を目的として結成された学会で、正会員は4,500名を越える(2007年8月現在)という。
 機関誌「特殊教育学研究」を年6回発行し、今回行われるような大会を毎年秋に行っている。

糸賀一雄「この子らを世の光に」

 20日12:00からは、鳥取県出身で日本の障害者福祉を切り開いた第一人者である糸賀一雄の思想や業績を振り返り、今日的な意義を問う「糸賀一雄氏 没後40年の集い」が行われる。
 糸賀は、日本初の公的施設「近江学園」を設立し、「この子らに世の光を」あててあげようという哀れみではなく、「この子らを世の光に」と主張したことで知られる人物だ。彼の「子どもが、生まれながらにしてもっている人格発達の権利を徹底的に保障しなければならない」という発達保障の思想は今日さらに重く受けとめられるだろう。

「特別支援教育」が本格実施されて…

 「特殊教育」から「特別支援教育」へ転換され、特殊教育の対象児に加え、発達障害の児童生徒にも、具体的な支援を行う責任が学校に課された今日。学校には、校内委員会が設置され、特別支援教育コーディネーターが配置されつつある。特別支援学校もセンター機能づくりを進めている。
 それをうけて、本学会発表でも、自閉症、LD・ADHD等といった発表分類が設けられている。また、「小・中学校における特別支援学校のセンター的機能の利用状況と利用を促進する要因」(ポスター発表)といった特別支援教育がはじまっての現状報告や分析的な発表、「特別支援は何をめざし、どうすすめるか?」(自主シンポジウム25)といった今後をみすえたシンポジウム、「特別支援教育の授業づくり」(自主シンポジウム17)「巡回訪問による放課後児童クラブ指導員への支援」(口頭発表)といった具体的な取り組みが紹介されるなど、さまざまな全国各地の研究報告が集まっている。

 お近くの方は奮起して参加してみるのも、また参加とまではいかずとも、これを機会に糸賀一雄の書などから学ぶのもよいのではないだろうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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