今さら聞けない!? 「学習指導要領」おさらいクイズ
2008/10/1 掲載
- きょういくじん会議
![小学校 新学習指導要領の展開 総則編](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4188381221.01.MZZZZZZZ.jpg)
このほど学習指導要領が改訂され、教育界ではこの話でもちきりだ。当きょういくじん会議でも、「改訂」がらみの話題がよく登場している。
教育界に関係のある人もない人も「学習指導要領」という言葉自体は知っている人が多いが、「じゃ、何?」と聞かれると意外と答えられない人も多い。
もちろん教育に携わっているあなたならご存知かもしれないが、せっかくの機会なので、「学習指導要領」そのものに関しておさらいしよう。
Q1 そもそも、「学習指導要領」って何?
文科省のホームページには、「全国のどこにいても一定の教育水準の教育が受けられるようにするため、学校がカリキュラムを編成する基準として」定めているものと記載。学校教育法施行規則に基づいて作成され、基本的に、国・公・私立問わず、全ての学校に適用される。
よく「法的拘束力があるのかないのか」が議論されるが、法令ではないものの、法的拘束力を有するものとして位置づけられている。教科書も、この学習指導要領をもとにつくられるのだ。
現在は、小学校、中学校、高等学校、盲・聾・養護学校等の学校種別毎に出されている。
Q2 だれがつくるの?
発行元は文部科学省。というわけで、もちろん文科省の教科調査官等が編集に携わるわけだが、文科省以外にも、各教科等の専門家や現場の先生、教育委員会の人々も携わっている。
Q3 いったいいつからあるの?
最初の学習指導要領が示されたのは昭和22年。ただこの時の名称は「学習指導要領(試案)」という形をとっており、まだ手引き的な位置づけ。
Q4 「改訂」って何年ごとなの?
昭和22年以降、改訂の年を順に追ってみよう。
昭和26年 | 最初の改訂。 |
---|---|
昭和31年 | 高校のみが改訂。 |
昭和33年 | 小・中学校の学習指導要領が、はじめて「告示」に。つまり法的拘束力が明確になったということ。「道徳」が新設されたのもこの時。 |
昭和43年 | 学習内容が増加。時代の流れに日本も乗り遅れまいと、高度な教育を行おうとする動き。 |
昭和52年 | 一転して「ゆとり教育」。これまでの反動で学習内容も削減。 |
平成元年 | さらなる「ゆとり教育」。新しい学力観として「個性を生かす教育」を目指す。生活科の新設。 |
平成10年 | 「生きる力」の育成が謳われる。総合的な学習の時間の新設。学校完全週5日制。学習内容はさらに削減。 |
平成20年 | 今回。高校のみの改訂を含めると、8回目の改訂、ということになり、このところずっと「10年に1度」のサイクルで改訂されている。 |
各教科の具体的な内容の方に興味が行きがちだが、教育界にいる人なら、今回挙げた程度の基本情報は把握しておきたい。
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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