きょういくじん会議
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ストリートビューは教材となるか プライバシーへ配慮も
kyoikujin
2008/11/3 掲載
ストリートビュー徹底攻略!Google完全ガイド―世界を「のぞき見る」極意!

 インターネットの検索エンジンで知られるGoogle(グーグル)が提供しているサービス、「ストリートビュー」は、もうご存知でしょうか? 実写の地図とも言えるもので、実際の町並みが映像に映されていて、まるで本当に町中を動くように見て回れる、というものです。社会科の授業などにも活用できそうですが、一方で一般の家などが映るため、プライバシーの侵害に繋がるという指摘も。

 ストリートビューは、Googleの本国アメリカでは07年から、日本では今年の8月から提供が開始されています。現在は東京や札幌、京都など限られた地域に対応していて、今後提供地域が増えていくかもしれません。

 例えば京都を実際に見てみると、中心地の主要な道路はほぼ網羅されているようで(車に付けたカメラで撮った映像なので、お寺の中などはあまり見れないようです)、京都駅から二条城までの道のりもばっちり辿れ、ガイドブックを見るよりもさらに鮮明に、修学旅行の計画立てや予行になってしまいそうです。また簡単には行けない土地を歩く疑似体験ができることで、子どもたちにとっては地図や町の様子について興味を持つ機会にもなるのでは?

 以前の記事でもご紹介しましたが、同じGoogle社が提供しているデジタル地球儀のGoogle earthは、実際に学校現場の授業で活用される先生方も増えている様子。ストリートビューも、と言いたい所ですが、上で少し触れたように、詳細であるということはすなわち個々の生活を映し出してしまうということ。実際、10月29日の産経新聞によると、このサービスが提供されている各国では、プライバシー保護の観点から規制すべきと論議を呼んでいるそうです。改めて見てみると、顔などはぼやけて判別しにくくなっているようですし、映してほしくない部分は修正依頼をすることもできるよう。それでも映してほしくないプライベートを勝手に世界中に公開されることに抵抗を覚えるのは自然ですし、大いに議論すべき点でしょう。

 ストリートビューで子どもたちが学ぶ機会を持ったなら、もし自分や自分の家が映っていたらどう感じるか、など、ただ地図として利用するだけでなく、問題となっているプライバシーについてまで考えるきっかけにもしてほしいと思います。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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