- きょういくじん会議

「アダルトサイトと書いたQRコードを読み込んで。」
と教師が指示し、子どもたちは教材用のアダルトサイトに実際に接続してみる―この東京都八王子市立元八王子東小学校の授業が13日の毎日新聞の記事で紹介されました。
学校裏サイト、出会い系サイト…など問題の多い子どもたちの携帯電話の使用。これまできょういくじん会議でも何度も取り上げてきましたが、今年に入っては、総務相が携帯フィルタリングサービスに改善要請をしたり、教育再生懇談会が小中学生の携帯電話所持禁止を提言したりと、各機関で子どもを有害サイトに近づけない対策を講じる動きが見られます。
そのような中、あえて子どもたちに有害サイトを擬似体験させる、この取り組みは画期的であると言えるのではないでしょうか。ただ「駄目」と禁止すれば、かえって興味がわき見てみようとする子どももいることでしょう。個人情報が流出していくことを擬似体験することで、子どもたち自身で危険を察知し、自分を守る意識が生まれてくるのではないでしょうか。
東京都教育委員会が今年初めて行った子供のインターネットや携帯電話利用についての実態調査(PDF)によれば、個人情報流出を含めたインターネット、携帯ネットのトラブルを経験したことのある子どもは、小学校で11.9%、中学校で23.4%、高校で29.2%、特別支援学校で21.4%とのこと。また、多くの教師がこのトラブルの対応の仕方に困っており、強い課題意識を持っていることも明らかとなりました。
もちろん、大人たちが子どもたちを有害サイトに近づけないようにすることも必要ですが、今後は子ども自身で危険を回避する力、判断する力を学校で育てることも求められていくのかもしれません。
