- きょういくじん会議
![「ニート」支援マニュアル](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4569646018.01.MZZZZZZZ.jpg)
「働きたくても働き口がない」「働く気が起きない」など、理由はさまざまだが、高校や大学を卒業しても働かない若者が増えていると言われている。少子高齢社会の中、働く若者が減ることは深刻な問題。政府も、法律でバックアップしようという動きがあるようだ。
法律で若者の自立を支援
24日の朝日新聞の記事によると、このたび政府は、「若者支援新法(仮称)」というニートや引きこもりの若者を支援する法律を制定する方針を決めたとのこと。この法律では、行政機関と民間組織で協議会を作り、困難を抱える若者を多面的・長期的に支援することを目指すという。支援対象者をカウンセリングしたうえで、個々人を必要な機関につなぎ、就労した後も、定期的に連絡を取り、長期的にフォローするという。
単に働き口を紹介するという短期的なかかわりではなく、定期的に連絡を取ってフォローすれば、すぐに会社を辞めてニート生活に戻るという事態を防ぐ効果があるかもしれない。
厚生労働省の支援
今までもニートの若者などを支援する措置は講じられてきた。例えば、厚生労働省が取り組んでいる若者自立塾である。若者自立塾は、3〜6ヶ月間の合宿形式による集団生活の中で生活訓練、労働体験等のプログラムを経て、就労を目指す機関。2006年3月1日時点で、修了者の就業率は48%だという。この数字が高いか低いかは議論が分かれるところだろう。また、社会参加が苦手という理由で働けない人も多いため、施設を設置しても合宿に参加させること自体が難しいという意見もあるようだ。就労に導くためには、合宿のあり方や参加を推進する工夫が今後より一層求められそうだ。
文部科学省の取り組み
文部科学省は、子どもたちが勤労観、職業観を身に付け、自立した社会人となるようにキャリア教育を推進している。未来のニートを生まないためにも、小中高生のときから、職場体験などで、勤労観や職業観を育てることは重要だろう。
文部科学省の取り組みの一つに、キャリア・スタート・ウィークがある。キャリア・スタート・ウィークとは、中学校において5日間以上の職場体験を行う学習活動のこと。職場体験学習の日数を1日や2日ではなく、5日と少し長い期間にすることで、より一層働くことへの意義などを学ぶ機会と位置づけているようだ。このキャリア・スタート・ウィークの取り組みは、各地で実施されている。例えば、広島県呉市では8月の夏休みの期間を使って、体験活動を推進している。詳細は、平成20年度呉市キャリア・スタート・ウィーク実施要項(PDF)でみることができる。
政府や各省庁の取り組みが機能して、より多くの若者が生き生きと働ける場が多く提供されることが今後ますます求められてくるだろう。
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