きょういくじん会議
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「義士祭」に行こう! 赤穂浪士を偲ぶ
kyoikujin
2008/11/21 掲載
赤穂浪士〈上巻〉

 今年も忠臣蔵の季節がやってきました。元禄15年12月14日(※1)、赤穂浪士47人が、主君の無念をはらすため江戸・本所松坂町の吉良邸に討ち入り。この日を記念して、毎年12月14日には東京都港区の泉岳寺の他、兵庫県赤穂市の大石神社花岳寺などで「義士祭」が開かれます。

 「赤穂事件」は当時から浄瑠璃や歌舞伎などで数多く取り上げられ、歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』(初演は大阪竹本座の人形浄瑠璃)で、すぐれた物語として仕上げられたと言われています。近年では大河ドラマ化された大佛次郎著『赤穂浪士』、映画化された池宮彰一郎著『四十七人の刺客』などが有名です。
 脚色されている為に史実と異なる部分もあるのですが、この「仇討ち」エピソードは根強い人気があるため毎年のように取り上げられており、テレビ朝日系列で『忠臣蔵』として連続ドラマ化もされ、昨年はテレビ東京系列で『忠臣蔵 瑤泉院の陰謀』が放映されました。忠臣蔵をきっかけに歴史好きになる方も多いようです。

 第二次世界大戦後の連合国占領下では、「仇討ち」の物語であることから、報復運動の高まりを懸念したGHQによりこの事件を題材とした作品の公演、出版が一時禁止されたこともあったとか。そのあたりを歴史学習のきっかけとして紹介するのもよいかもしれません。

 浅野内匠頭と赤穂浪士が葬られていることで有名な東京高輪にある泉岳寺の義士祭は12月と4月の年2回開催。12月14日の義士祭は、浅野内匠頭や義士の盛大な法要の他、西銀座から泉岳寺までを47士に扮した武者行列が歩き(※2)、露店も出て賑わいます。
 また、両国の本所松阪町公園(吉良邸跡)周辺では12月の第2土・日曜日に「吉良上野介と討ち入りで亡くなった家臣たちの無念の気持ちをくみ、供養する慰霊祭」として「吉良祭・元禄市」が行われます。悪玉にされがちな吉良上野介ですが、立場の違いから比べてみるのも面白いですね。

 例年6万人ほどの観光客が訪れる兵庫県赤穂市の義士祭も、赤穂城跡大手門からJR赤穂駅までの「忠臣蔵パレード」が呼び物。市内小学生による金管バンドパレードや山車、浅野家の参勤交代をイメージさせる大名行列などが町を練り歩きます。

 年末の風物詩として、興味がおありの方は訪れてみてはいかがでしょうか。

※1 日本では明治6年から現在の太陽暦が採用され、それ以前は太陰太陽暦を採用していました。現在の太陽暦で計算すると、1703年1月31日にあたります。

※2 西銀座→泉岳寺の武者行列は泉岳寺主催(公認)ではありません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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