きょういくじん会議
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明治大学が「東京国際マンガ図書館」新設へ
kyoikujin
2008/12/2 掲載
マンガの国ニッポン―日本の大衆文化・視聴文化の可能性

 「マンガ学部」など、マンガやアニメなどの文化を学問として研究する学部を新設する大学がふえる中、明治大学が、千代田区に「東京国際マンガ図書館」(仮称)を新設する計画を進めているらしい。11月30日の産経新聞が伝えている。同大学国際日本学部の森川嘉一郎准教授らの発案によるという。

 大学の図書館でマンガを集めるだなんて、少し前ならびっくりする状況かもしれないが、たしかに、マンガ学部があるのなら、マンガ図書館があってもおかしくはない。日本のマンガ文化が世界に浸透してきた今でこそ、マンガ図書館の設立は当然の流れともいえるかもしれない。

 マンガなら国立国会図書館にもあるので、そちらでで用が足りるのではないかという声も聞こえてきそうだが、国会図書館ではカラーのカバーの保管がなされていないし、欠本も少なくないそうだ。こういった簡単には手に入らない雑誌が手にとれるようになるということで、ほとんどのマンガがそろい、カラーで見れる図書館の設立は、研究分野を抱える大学の施設として有効そうだ。

 ところで、マンガをメインに扱った図書館は、実はここだけではない。マンガ学部をかかえる京都精華大学が設立した、「京都国際マンガミュージアム」は比較的有名だが、約30万点の蔵書をほこる。資料のデジタルアーカイブ化も予定されているようだが、閲覧だけでなく保管の面でもこういった施設がマンガ文化に寄与する効果は大きそうだ。他にも、10数万冊を所蔵する東京にある私設図書館の「現代マンガ図書館」や、日本で唯一の公立のマンガの図書館「広島市まんが図書館」などがあり、マンガ文化の発展に寄与している。しかし、まだ今の時点で、マンガ専門の図書館は多いとはいえないだろう。

 今回の明治大学の図書館は、学生や研究者らを対象にするとのことである。一般の人間が足を踏み入れられるのかわからないが、楽しむためのコレクションとは一線を画し、マンガの研究拠点として機能するよう、これまでの図書館以上にマンガが集まることに期待する。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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