きょういくじん会議
まじめなニュースからやわらかネタまで、教育のことならなんでも取り上げる読者参加型サイト
教育予算―800人の教職員と1万4千人の非常勤講師を配備
kyoikujin
2008/12/20 掲載

 18日の朝日新聞の記事によると、政府は来年度予算で公立の小中学校へ約1万4千人(週12時間勤務で換算)の非常勤講師の配置、800人の正規教員の増加を決める方向で調整に入ったという。
 非常勤講師のうち1万人は新学習指導要領の円滑な実施のために行われる移行措置等に対応する人員、とのことである。来年度から前倒しで実施される算数・数学、理科では授業時間数が増えるため、それに対応する形だ。

文科省の概算要求では…

 文部科学省は平成21年度概算要求の中で、

  • 新学習指導要領の先行実施に伴う授業時数の増等への対応として、1万1千500人の非常勤講師(週40時間換算)
  • 教員が子ども一人一人に向き合う環境づくりのために1,500人の正規教職員と1万500人(週12時間勤務で換算)の非常勤講師

を要求していた。それと比べると、昨年の記事と同じく人員を押さえられた感は否めない。
 そもそも、文部科学省は平成20年度に3年間で公立小中学校教員定数を2万1千人増やすことを求めており、教職員数の投入量が必ずしも公教育の再生につながらないとする財務省と折衝が続いている。
 本年の概算要求でも正規の教職員よりも多くの非常勤講師を要求することで現実的な折衝を狙ったことがうかがえるが、厳しい結果となった。
 そもそも、小泉政権下、平成18年6月に施行された行政改革推進法に公立学校の教職員数は児童生徒数の自然減に見合う数を削除していくことが規定されており、教員数の増加は難しいのだ。
 この規定自体を見直すべきとの意見も根強いが、財政難の今日、規定の有無にかかわらず財務省は教職員数の増加に難色を示すだろう。

教職員給与の見直し

 本年度概算要求の中には、人員に関する記載のほかに「メリハリのある教員給与体系」がかげられている。詳細は、以前の記事に詳しいが、一律に支給されていた調整額が減らされ、かわりに管理職手当てや部活動など教員特殊業務手当てが増額される案になっている。
 教職員は人員不足の苦しい状況におかれているかもしれないが、次世代を担う子どもの学力を向上させることへの世間の期待は高い。
 せめてもメリハリのある給与体系の中、子どもをのばす優秀な先生方は厚く遇されてほしい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの受付は終了しました。