きょういくじん会議
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クリスマスにおすすめ! ハンドベルの意外な魅力
kyoikujin
2008/12/9 掲載
クリスマスソング楽譜付き ハンドベル MB20K/BK

 クリスマスシーズン、街中はクリスマスツリーやイルミネーションにあふれ、クリスマスソングもあちこちで流れている。クリスマスの曲にぴったりな音を出す楽器といえば、。音だけでなく、見た目もその雰囲気を醸し出してくれるベル型の楽器で、クリスマスの時期には大活躍である。今日はそんなハンドベルのお話を。

 ハンドベルの発祥の地は16世紀イギリス。もともとは、教会の塔の鐘を鳴らす練習をするために考案された。天井から降ってくるような澄んだ音色で、よく「天使の音楽」ともいわれる。

 ご存知の通り、ハンドベルは1つのベルで1つの音しか出ないため、何人か集まってそれぞれが複数音担当して初めて音階ができる。イメージとしては、片手に1つずつもって、みんなで順番にベルを振っているかわいらしい姿が浮かぶのだが…。
 日本ハンドベル連盟のHPによると、「曲を演奏するには2オクターブから6オクターブで、一人4〜5個を受け持ち、音域によって8〜15人でチームを作る」そうだ。

 「一人4〜5個」、それでも意外と大変なんだなと思ったが、ところがところが先日私が聴いたハンドベルアンサンブル東京(TOKIO)によるハンドベルのコンサートでは、5名のメンバーが60個以上ものベルを操っていたのだ。曲目も、クリスマスソングに混じって、「剣の舞」や「くまん蜂の飛行」がある、というのをきけば、そのすごさが伝わるかもしれない。
 「くまん蜂の飛行」は、58個のベルを5人で担当するというから驚き。単純に割れば、一人約12個のベルを担当することになるわけだが、それぞれ均等な数を受け持つわけではないので、多い人は22個のベルを担当している、とのこと。演奏者は、さながらベルの周りをくまん蜂が飛び回るような速度で動き回り、ハンドベルのイメージを覆すような演奏風景が、また十分楽しめた。

 といっても、なかなか私達にはそんな演奏はできないのだが、でもハンドベルの基本は「振って音を鳴らす」という単純な原理。それなら、子ども達が楽しく取り組むのにはおすすめかもしれない。実際、中学校や高校の「ハンドベル部」に混じって、「ハンドベルクラブ」のある小学校や、クリスマスのイベントとして取り組んでいるところもあるようだ。
 また、1つの楽器で1つの音しか出せないため、1つの曲を演奏するのは完全な協同作業、という意味では、協力する姿勢や責任感を養うのにうってつけ。確かに、誰が欠けても曲はでき上がらない。その上、みんなが同じだけ重要なポジションであるため、合奏でよくありがちな「メロディーの子ばっかり目立って伴奏パートになったらつまらない」というような不満もなく、相手の存在の大切さと同時に自分の存在の大切さが、すごくよく分かるかも。

 クリスマスまであと2週間ほど。1曲を仕上げるにはちょっと短いかもしれないが、来年のクリスマスに向けて、是非1度取り組んでみては?

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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