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基幹学力研究会―初の地方大会を新潟で開催
kyoikujin
2008/12/10 掲載

 筑波大学附属小学校の二瓶弘行教諭(国語)と田中博史教諭(算数)が代表を務める基幹学力研究会が、6日、「国語・算数の授業でつける『基幹学力』とは? 新学習指導要領に対応するこれからの授業づくりを考える」のテーマのもと、同会としては初めての地方での研究大会を、新潟市立浜浦小学校で開催した。

参加者は全国から500人超

 時折激しく雪の舞う荒れ模様の天気の中、会場の新潟市立浜浦小学校には、北は北海道、南は九州と、全国から500人を超える参加者が詰めかけた。この参加人数は、東京の筑波大学附属小学校で2月に開催されている同会の全国大会(全国大会は8月にも開催)に匹敵する規模だ。

教育委員会の指導主事も授業を公開

 1時間目の公開授業では、基幹学力研究会幹事の教諭による授業のほか、新潟市教育委員会学校支援課の指導主事、齋藤純一氏(国語)と間嶋哲氏(算数)による授業も行われた。普段は現場教諭の授業に対する指導助言を行う立場にある指導主事自らが行う授業とあって、参加者の注目を集めた。
 「これからの時代は、指導主事といえども自らの授業で範を示せなければ、現場には認めてもらえない」と語る間嶋氏は、小学校6年生に立方体の展開図の授業を行った。
 この授業で間嶋氏は、立方体ののりしろの数を子どもに予想させ、クラス全員に予想したことを発表させた。「どんなことでもいいから、必ず他の子と違うことを言うこと」という間嶋氏の指示に悪戦苦闘しながらも、クラス全員が自分なりの表現を工夫して発表した。

全クラス一斉の算数授業公開

 2時間目は、会場の浜浦小学校の教諭が、全クラス一斉に算数の公開授業を行った。継続的な評価、指導による授業力向上が評価され、今年、第24回時事通信社「教育奨励賞」優秀賞・文部科学大臣奨励賞を受賞した同校だけに、どのクラスでも、子どもの活動や発言が活発に行われる、レベルの高い授業が展開された。

参観者も引き込まれる二瓶教諭の授業

 3時間目は、二瓶教諭による、表現技法「反復」に着目した詩の授業が行われた。習得した技法を生かして、子ども自らが既存の詩に新たな連を加えるという授業展開の面白さもさることながら、常に子どもたちの前後左右に動き回り、様々な発問や課題提示を繰り出す二瓶氏の授業に、子どもたちのみならず、会場の参観者も引き込まれた。

授業への思いが伝わるワークショップ、講演

 午後は、午前の公開授業の授業者によるシンポジウムの後、筑波大学附属小学校の山本良和教諭、夏坂哲志教諭によるワークショップ、田中教諭による講演が行われた。
 山本教諭は授業で子どもが使う感動詞、夏坂教諭は算数授業におけるICT活用、田中教諭は自らが出演したNHK教育テレビの授業、と取り上げるテーマや話題はまったく別のものだったが、授業における子どもとの向き合い方や、大切にしたいことなど、多くの点で共通項がみられた。

 なお同会では、第2回の地方大会を来年11月に青森県で、第3回の地方大会を再来年1月に福島県でそれぞれ開催予定だ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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