- きょういくじん会議
![新しい学力テストを読み解く―PISA/TIMSS/全国学力・学習状況調査/教育課程実施状況調査の分析とその課題](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4820803719.01.MZZZZZZZ.jpg)
国際教育到達度評価学会が行った、国際数学・理科教育動向調査について、11日のきょういくじん会議記事、「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2007)結果公表」では、調査の概要と平均点などをお伝えしましたが、今日は質問紙調査の結果を見てみましょう。数学・理科の勉強が楽しいと思う中学生の割合が低いということでしたが…。
勉強の楽しさ
算数・数学の勉強を楽しいと思う割合は、小学4年の約7割、中学2年の約4割という結果です。国際平均と比較するとかなり低い結果です。理科の勉強を楽しいと思う割合は、小学4年の約9割、中学2年の約6割です。小学4年は国際平均と変わらず、中学2年はかなり低い結果になっています。ただし、前回調査(2003年)よりは楽しいと思う割合が大きくなっています。
重要性の意識
中学2年生が、数学・理科の勉強は「日常生活に役立つ」「他教科を勉強するために必要」「行きたい大学に入るために必要」「自分が望む仕事に就くために必要」と思う割合は、いずれも国際平均を大きく下回っていますが、前回調査よりは全般的に重要性の意識が高まっています。
自信
算数・数学・理科の勉強に対する自信は、小中ともに国際平均よりかなり低いという結果が出ています。特に中学2年は国際平均との開きが大きくなっています。小学4年は前回調査より自信が高まっていますが、中学2年は低い状態に変化が見られません。
苦手意識
算数・数学・理科を「苦手だ、得意教科ではない」とは思わない子どもの割合は、小学4年では国際平均を上回り、中学2年では下回るという結果になりました。前回調査と比較しても、小学4年は苦手意識を持つ割合が小さくなっていますが、中学2年は逆に苦手意識を持つ割合が大きくなっています。
小学4年の「理科を楽しいと思う」、「算数・理科が苦手ではない」以外、すべて国際平均を下回るというショッキングな結果となってしまいました。しかし、前回の調査より数値が上がっている項目が多いですので、状況はそれほど悪くないのかもしれません。平均点で上位を維持しながらも、「楽しい」と思える子どもを増やしていくための試みが必要といえるでしょう。
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