きょういくじん会議
まじめなニュースからやわらかネタまで、教育のことならなんでも取り上げる読者参加型サイト
Xmasを機に考える―学校での祝日の扱い方(米国)
kyoikujin
2008/12/24 掲載
クリスマス・ソングス

 今日はクリスマスイブ。みなさんのご家庭では、クリスマスはどのようなイベントとしていますか?
 人種や宗教など文化の違う子どもたちがともに学ぶ米国の学校現場では、ホリデーシーズンのこの時期、祝日についてどのように扱うのが適切なのかということが、とくに若手の先生方の間で話題に上るようです。

 今夜、サンタクロースがプレゼントをおいていく予定のご家庭はたくさんあるのでは? それでも、クリスマスとはいったい何なのか、という話題にふれる予定の方は、そう多くはないのではないでしょうか。

 多くの教師が数年間同じ教室で教える米国の小学校では、教師が「自分の教室」として愛着をもち、季節に合わせた色とりどりのポスターや飾りつけをした壁面構成がよく見られます。

 街にもイルミネーションが輝き、教室にも楽しいクリスマスの飾りつけをしたいな…とつい思ってしまいそうなこの時期。米国の教師の間では、祝日と宗教・文化の関係などについて見直したり、宗教についてどのように子どもたちに伝えるのが適切であるかということを考えたりするきっかけとなるようです。8日のEducation Week(英語)に掲載されたディスカッション・フォーラムにも、現場の教師たちから様々な意見や考えが寄せられたようです。

 たとえばクリスマスは、本来キリスト教の大切なお祝いの日ですよね。教育現場では教会と国家の分離を念頭に、ということもありますが、もしクリスマスの飾りつけをしたいと思っても、実際には、教室内のすべての子どもたちがキリスト教を信じているわけではありません。ですので、クリスマスのときだけ教室を飾ったり、その意味を伝えたりするのは、他の宗教や文化をもつ子どもたちに不公平になってしまう、などということがあるようです。

 それでも、話題にするのを避けるのではなく、それぞれに異なる、お互いの身近な文化や考え・信じていることの違いについて話す機会にすることができれば、相手を知ったり、自分の文化を相手に伝えようとすることで新しい発見をしたりすることにもつながるかもしれません。

 祝日をきっかけに、同じ教室で学ぶ子どもたちが、お互いの違いを認めて理解を深め、ともに学びあうための工夫がたくさんできそうですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの受付は終了しました。