きょういくじん会議
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学校図書館を活用しよう! 広がる改革の動き
kyoikujin
2008/12/27 掲載
いますぐ活用できる学校図書館づくりQ&A72―イラスト&学校図書館用プリント集

 子どもの活字離れの進行、読解力の低下―誰でも一度は耳にしたことのある現代の教育がかかえる問題点です。先日のきょういくじん会議でもお知らせした通り、文部科学省は「学校図書館図書整備5か年計画」に基づき地方財政措置を行っていますが、教育現場では学校図書にまで資金をまわす余裕がなく、学校図書館図書標準を満たすことさえもなかなか厳しい状況だと言われています。
 しかし、そんな中、子どもに活字に慣れ親しんでもらおうと、特色のある学校図書館づくりを進める学校も増えてきたようです。

学校図書館の改革

 1日の読売新聞の記事によると、島根県の市立小学校では、図書館に常駐して書籍の仕入れなど管理に専念できる学校司書を配置し、温かく親しみやすい雰囲気づくりや購入する本の種類に気を配った結果、年間貸出冊数が大きく増加したということです。
 調べてみると他にも、小中共有図書館、保護者やボランティアによる読み聞かせ、調べ学習専用の第2の図書館の設置など、図書設備の充実を謳う学校も増えてきていることがわかります。学校のマニフェストとして読書量の増加に取り組んでいる学校も多いようです。

学力の向上も!?

 また、16日の朝日新聞の記事によると、全国学力調査の結果を分析したところ、小学校では特に「学校図書館を活用した授業」に取り組んでいる学校の成績が向上していることが明らかになりました。調べ学習を通じて、自分で問題を解決しようとする姿勢が身についた、とも考えられます。

「子どもの居場所」としての学校図書館

 さらに、近年注目されている学校図書館の新しいあり方として、「学校図書館を活用した子どもの居場所づくり」が掲げられています。少なくとも昼休みや放課後など、子どもが自由に時間を使えるときには、大人が常駐している場所でゆったりと本を読みながら過ごせる環境を提供しようというものです。「いつでも開いている図書館、必ず誰かいる図書館」―子どもにとって身近な学校の図書館が心のオアシスになれる日がくるといいですね。

 読解力・語彙力の獲得、視野の広がりなど、読書の効果は今さら言うまでもありません。小さいうちから本を読むことを楽しみ、豊かな人間性をもった子どもが育っていってくれることを期待したいですね。
 皆様も、身近なところからもう一度学校図書館を見直してみてはいかがでしょうか?

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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