- きょういくじん会議
先月22日、今世紀最大の天文ショーと言われた皆既日食が46年ぶりに日本でも観測され、各地で大変な盛り上がりを見せたのはみなさんの記憶にも新しいと思います。日食グラスを使って子どもと一緒に見た、なんて方も多いのではないでしょうか。
さて、その日食グラスの多くには「世界天文年2009」の文字がありましたよね。これは、ガリレオ・ガリレイが天体望遠鏡で初めての天体観測をした1609年から、今年でちょうど400年の節目を迎えるのを記念した世界規模のイベントのことです。
このイベントの目的は、世界中の人々が夜空を見上げ、宇宙の中の地球や人間の存在に思いを馳せ、ガリレオのように自分なりの発見をしてもらうこと。そのため、今年度は天文学と宇宙科学に関する行事が、世界中で、さまざまな規模や形態で展開されています。
日本でも、子どもたちが本来持っている自然への興味と科学への関心を応援し、育てられることを目的としてさまざまな催しが行われてきました。一番の目玉だった日食イベントは終了したものの、夏休み中もまだまだ興味深い企画が盛りだくさんです。
■「六本木天文クラブ」―六本木ヒルズ
東京の中心、六本木ヒルズで行われる天文イベントが六本木天文クラブ。夏休みには、海抜270メートル、スカイデッキでの観望会に加えて、新進気鋭の若手研究者たちによる天文セミナーなどが毎週行われます。星が見えないと思われがちな都心で宇宙を感じられるという意外性だけでなく、親子一緒に参加するのはもちろん、夜のデートや、親しい仲間と気軽に楽しんだりと、いろいろなシチュエーションで天文と触れ合えるのが特徴。眼下に広がる東京の夜景とともに、夜空の星を楽しめる一挙両得なイベントです。
■「夏休み自由研究スペシャル」―プラネタリウム満天
池袋サンシャインシティ内にある人気プラネタリウム、満天。こちらで放映中の「銀河鉄道の夜」は、国内だけでなく海外でも上映されるほどの人気作品。ドームいっぱい360度に広がる銀河のフルCG映像を楽しむことができます。満天では夏休みの自由研究として、原作を読んでからプラネタリウムを鑑賞し、感想文を書くことを薦めています。他にも、夏の星座や天の川、ペルセウス座流星群などの観測方法を紹介しており、観測記録シートなどがサイトからダウンロードできるなど、天体観測を自由研究にしようと思う子どもたちにはピッタリのイベントとなっています。
■「天体観測と時計」―町田市立博物館
「時」はもともと天体が子午線上を通過する瞬間を観測して決められたもの。天体観測に使われる重要な道具のひとつが時計なのだとか。
町田市立博物館では現在、「天体観測と時計」という特別展を開催中です。こちらでは江戸時代の日本で生み出された日本が誇るべき工芸品、和時計や、現代までも脈々と受け継がれている日本の時計技術の素晴らしさを目にすることができます。プラネタリウムの解体ショーやコンサートなどもあるとのこと、その他のイベントもたっぷり企画されているようです。
世界天文年のスローガンは、「宇宙・・・解き明かすのはあなた(The Universe: Yours to Discover)」。この機会に星とふれあう時間をたくさん持ち、子どもたちと一緒に尽きない宇宙の謎を探ってみてはいかがでしょうか。