きょういくじん会議
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白いご飯に日本酒も! 日本の主食に危機が迫る?
kyoikujin
2009/1/7 掲載
米の事典―稲作からゲノムまで

 少し前の記事になりますが、Yahoo!は12月15日、子ども向けポータルサイト「Yahoo! きっず」で2008年に検索されたキーワードのランキングを発表しました。集計期間は2008年1月1日から11月30日までですが、検索結果の順位は1位が「ゲーム」、2位が「アニメ」、そして3位が「米」となったようです。3位の「米」については、みんな自発的に調べているのか、感心感心、と思いきや、小学校5年生の社会科で米作りを学ぶ、その時期に検索回数が急増するようで、理由も納得といったところです。

 しかし、どの学校でも必ず米作りについて学ぶことからもわかるように、米は日本人の食生活には欠かせない大事なものです。授業でも、力を入れて取り組まれている学校が多いのではないでしょうか? 毎日食べる白いご飯などに加えて、お正月に目にしたであろう、お雑煮や日本酒にもお米は欠かせないものです。しかし、去年は事故米などの事件も発生し、米に対する安全が揺らいだ年でもありました。2009年も米を取り巻く現状は厳しいようですが、今回は2つほど米に関する問題を取り上げてみたいと思います。

「コシヒカリ」でなく「越光」? ブランド米の商標は誰の手に!

 4日の読売新聞の記事によると、中国では、現地の個人や会社によってブランド米の商標登録が行われ、日本からの輸出や販売などに影響が出ているようです。「コシヒカリ」は「越光」、「ひとめぼれ」は「一目惚」、「あきたこまち」は「秋田小町」として既に登録されているようです。日本酒でも「美少年」や「賀茂鶴」は既に登録され、「八海山」や「高清水」などが現在審査中とのことで、状況は厳しそうです。
 中国では、登録に対する異議申し立ての審査が2年から5年ほどかかるという現状があります。その為、時間をかけるよりはお金を払って解決することも多く、商標乗っ取りビジネスが成り立っているようです。

減反政策の見直しも!?

 5日の時事通信の記事によると、1970年より行なわれてきた減反に関して、石破農水大臣は政策の見直しも含めた議論を行なうと述べたようです。米の消費量は年々減少を続けており、日本人の米離れは改善しそうもありません。しかし、上述の商標権問題とも関連しますが、ブランド米の海外への輸出など新しい動きもあるようです。減反政策では、耕作放棄による農村の原風景の破壊や、環境の悪化、生態系への影響などが危惧されていました。メダカの絶滅危機などもその一例でしょう。減反政策の見直しが吉と出るか凶と出るかは分かりませんが、抜本的な解決が必要な時期に差し掛かっているのかもしれませんね。

 温暖化問題も米作りに与える影響は大きく、日本の主食である米を取り巻く状況が厳しいことには変わりませんが、おいしいご飯を食べるためにも、なんとかいい方向へと向かっていって欲しいものです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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