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生誕200年メンデルスゾーン―意外な日本とのつながり
kyoikujin
2009/2/3 掲載
メンデルスゾーン : 交響曲第3番「スコットランド」&第4番「イタリア」

 本日2月3日は、作曲家メンデルスゾーン生誕ちょうど200年!
 メンデルスゾーンは、誰もが知っているあの曲…「ドドドドー ドドドドー ……」。そう、「結婚行進曲」の作曲家だ。ちなみにこの曲は、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』の劇付随音楽(今でいう映画のサウンドトラックのようなもの)として作曲された全13曲のうちの1曲。

 フェリックス・メンデルスゾーンは1809年2月3日生まれ(1809〜1847)。裕福な銀行家の息子として生まれたが、その多才ぶりは作曲だけにはとどまらない。

●何か国語も話せる

 メンデルスゾーンはドイツのハンブルク生まれだが、ドイツ語だけでなく、ラテン語、イタリア語、フランス語、英語など数ヶ国語を自由に操っていたようだ。

●指揮者という仕事を確立

 今では、「指揮者」というとそれ専門の職業として確立しているが、18世紀頃までは作曲家本人や楽団のリーダーが指揮者の役割も務めていた。それをメンデルスゾーンは自ら多くの指揮をしたり指揮の指導をするなどして、専業指揮者という独立した職業をつくった。

●有名作曲家の曲を発掘

 J.S.バッハやベートーヴェンの作品の価値を広く説き、シューベルトの音楽を復興させた。メンデルスゾーンが広めなければ、有名な曲が今でも埋もれていたまま…なんてもったいないこともあったかもしれない。

 というように、作曲作品以外にも重要な功績をいろいろ残したメンデルスゾーン。他にも意外なところで日本との接点を見つけたのでご紹介しよう。

●日本の唱歌をメンデルスゾーンが作曲?

 「唱歌イコール日本の曲」というイメージがあるかもしれないが、実は唱歌には西洋の曲がかなり沢山取り入れられている。
 幼稚園唱歌に収録の「春の歌(ひばりの歌)」、小学唱歌に収録の「皇統」、女学唱歌に収録の「琴の音」。これはみな、メンデルスゾーン作曲の曲。「皇統」などは軍歌としても歌われたというから、ちょっと意外な気もする。
 メンデルスゾーン以外にも、モーツァルトやベートーヴェンなど、有名な西洋の作曲家の曲が唱歌に取り入れられていることは多いのだが、面白いのは、原曲と全く違う内容の日本語の歌詞がついていることもあるということ。例えば小学唱歌集に収録の「誠は人の道」という唱歌の原曲は、モーツァルトの有名なオペラ『魔笛』の中の「恋人か女房か」というアリア。確かに、原曲の歌詞のままでは子どもたちが歌う唱歌には似合わない内容かもしれないが…

●滝廉太郎とメンデルスゾーン

 教科書にのっており、誰もが耳にしたことがある「花」。これを作曲した滝廉太郎が留学したライプツィヒ音楽院の創設者がメンデルスゾーンなのだ。メンデルスゾーン自身が設立のための資金集めに奔走し、作曲とピアノの教授には、あのシューマンが招聘されたというからすごい。ただ、滝廉太郎はメンデルスゾーンやシューマンの没後に生まれているので、直接教えを受けたというわけではない。

 ちなみに、今年はいろいろな音楽家の記念年にあたっているラッキーな年。メンデルスゾーンの他にもこんなメモリアルがある。

ハイドン(1732〜1809) 没後200年
ヘンデル(1685〜1759) 没後250年
ロドリーゴ(1901〜1999) 没後10年

 どの作曲家も、音楽の教科書にかならずのっている有名人なので、話題づくりにはことかかない年になりそうだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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