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日本語支援にJSLカリキュラムを開発―文科省
kyoikujin
2009/2/18 掲載
小学校JSLカリキュラム「解説」 (外国人児童の「教科と日本語」シリーズ)

 日本語の指導が必要だとされる公立の小・中・高校に通う子どもの数は、文部科学省の調査によると、平成19年で約2万5千人。その数は、年々増加していると言われています。1月10日には、文部科学省より「学校教育におけるJSLカリキュラムの開発について」の最終報告が発表され、日本語を母国語としない子どもたちへの具体的な支援策が示されました。その内容とは…?

 「学校教育におけるJSLカリキュラムの開発について」では、教育現場に即して、子どもたちの様々な理解の段階に対応できるような日本語支援と学習支援の実践例が示されています。

 JSL(第二言語としての日本語)カリキュラムは、初期指導の時期を終え、ある程度の日本語の力をもっている子どもたちが、学習活動に参加してゆくために、日本語での学ぶ力をつけることがねらいとされています。ここでは、「トピック型」と「教科志向型」の2つに分けられています。

 「トピック型」では、主に体験、探求、発信といった各教科に共通の学習活動をベースに、子どもがすでにもっている知識や思考力に応じたトピックの3段階のレベル設定や、子どもが理解しやすいような日本語表現のバリエーションの工夫がされています。また、「子どもに身に付けてもらいたいと考える、基本的な学ぶ力の一覧表」であるAU(活動の単位)カードが示されています。

 「教科志向型」では、各教科ごとに子どもたちが学習に参加するための課題を踏まえた支援の実践例に加え、AUカードやワークシートなども示されています。

 2007年12月23日の記事でもお伝えしたように、外国人の子どもが不就学でいる理由として、2番目には「日本語が分からないから」ということが挙げられています。そのような子どもたちへの支援策が急がれる中、初期指導をどう支援するかということも、今後の課題になるのではないかと思いますが、このJSLカリキュラムは、どのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。

 米国でも、1月7日にはEducation Weekより、英語を母国語としない子どもたちに焦点を当てた「Quality Counts2009: Portrait of a Population」(英語)が公表され、州ごとの実態や取り組みが報告されています。各地、各国それぞれの課題やよい点などを研究し、よりよい教育環境をつくっていきたいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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