きょういくじん会議
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体感するアート―第12回文化庁メディア芸術祭
kyoikujin oec
2009/2/7 掲載

 4日から、東京・六本木の国立新美術館で第12回文化庁メディア芸術祭が開かれています。過去には宮崎駿・WiiSports・AIBOなどが受賞したこの賞、はたして今年は…?

文化庁メディア芸術祭とは

 「文化庁メディア芸術祭」とは、文化庁とCG-ARTS協会が主催し毎年行われている催しで、創造性あるメディア芸術作品を顕彰し、その創作活動を広く紹介しようというもの。
 国内・海外からの応募作品を対象にアートエンターテインメントアニメーションマンガの4部門それぞれに大賞1点と優秀賞数点が選ばれます。応募数は年々増え続け、今年は44の国と地域から2,146作品の応募があったそうです。

「視聴覚」から「手触りのあるアート」へ

 こちらの公式サイトでは、今年度の受賞作品の紹介を見ることができます。今回の受賞作品を見てみると、従来の「メディア」=「視聴覚」というイメージを超越した、「身体感覚」というキーワードで捉えられる作品が多いようです。

 たとえば、エンターテインメント部門で優秀賞を受賞した「君の身体を変換してみよ展」は、NHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」を手がけた佐藤雅彦氏などが企画した展覧会で、様々な装置を通じて、自分が通常認識したことのない新しい身体イメージを体験できるというもの。「子どもも大人もシンプルにメディアアートを体験できる」点が評価されました。同部門では、ほかに「Wii Fit」なども受賞しました。

 アート部門大賞の「Oups!」も、自分の身体を動かし参加する形のアートです。

 またマンガ部門では、「栞と紙魚子」「宗像教授異考録」という日本的な怪異や不思議を扱った作品が受賞しました。これらの民俗的・土着的な「土くささ」を感じさせる作品の受賞を、身体感覚が失われかけている無機質な現代社会に対する反動と捉えることも、あるいは可能かもしれません。

 首都圏にいらっしゃる方は、この機会にぜひメディア芸術を自分の身体で体感してはいかがでしょうか。会場へは、地下鉄乃木坂駅・6番出口からの直接アクセスが便利です。会期は15日まで、入場無料です。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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