きょういくじん会議
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大学生にも必要? 保護者への成績通知サービス
kyoikujin
2009/2/15 掲載

  2月7日の毎日新聞の記事によると、岡山大学は今年の春から、学生の成績を保護者に郵送するサービスを始めるとのこと。「義務教育じゃないんだから…」「今の大学生の実情を考えると妥当かも…」賛否両論聞こえてきそうなこのサービス。皆さんは、賛成ですか? 反対ですか?

 岡山大学のホームページをみると、保護者との連携により、学生へのより適切な修学指導を行うことを目的として、成績(通算の単位修得状況)を保護者へ通知することとしたと説明がされています。

 実はすでに岡山県内では、16大学10短大中、11大学(岡山大除く)8短大で同様のサービスが実施されているそうです。実施していない大学のうち、山陽学園大も以前は通知していたのですが、個人情報保護法が施行された際に、「成人した学生の成績を通知するのは問題では」との議論が持ち上がり、中止にいたったとのこと。

 ちなみに、自分が大学生だったとき、両親への成績の報告はどのように行っていたのか、少し思い返してみましたが、親元を離れて暮らしていたのでたまに実家に帰ったときに報告するくらいだったように覚えています。卒業のときに発行される成績証明書を見せたかどうかもあやしいものです…。

 学部生94.3%、大学院生71.9%―。今回の記事に関連した数字ですが、何の数字だと思いますか? これは、早稲田大学学生部が発表した2007年度「学生生活調査報告書」で、「あなたは経済的に独立していますか」との問いに「いいえ」と答えた学生の割合です。つまり、それだけ多くの学生は親から仕送りをもらっているということですね。
 また、27.7%という数字もあります。これは、東京地区私大教職員組合連合による2006年度「私立大学新入生の家計負担について」(PDF)にある、入学費用のために借入れをした世帯の割合です。この調査によると、4世帯に1世帯以上が子どもの私立大学進学のために、ローンを組むなど平均174万円の借入れをしているようですね。

 これらのことを考えると、学生が親のすねをかじっている間は、ある程度、学業に関する情報が親に届くしくみになっていることが望ましいのかなとも思いますが、皆さんはいかがでしょうか?
 さすがに、今後、社会人(新入社員?)の家庭への仕事評価通知サービスなどが一般的にならないことは祈りますが…。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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