きょういくじん会議
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「楽しい理科」の教え方とは? 先生の卵たちへの講習会
kyoikujin
2009/2/20 掲載
10才までにやってみよう かんたんワクワク理科あそび(きっずジャポニカ・セレクション)

 4日の読売新聞の記事によると、東京都国立科学博物館は、新年度から小学校の教員になる大学生を対象に、講習会「明日の先生へおくる 理科のコツ」を開いたということです。
 先生の卵たちの理科への苦手意識を解消し、自信をもって教えられるようにするのをねらいに、実験・観察のしかたや授業計画の立て方など、子どもたちの科学への興味を引き出すコツを8日間でレクチャーし、好評を得たようです。

 先日のきょういくじん会議でもお知らせしましたが、2008年の科学技術振興機構(JST)と国立教育政策研究所の調査によると、約9割の小学校教員が「理科は好き」と回答しているものの、約5割が「教えるのは苦手」と感じていることが明らかになっています。
 同時に約4割の教員が「大学で理科をもっと勉強すればよかった」と回答しており、理科を学ぶのは楽しいと思っているが、これまでしっかりとは学んでこなかったため、どう教えたらよいのかわからない―そんな声が現場から聞こえてきそうな結果となっています。
 また、国立教育政策研究所の理科の特定課題調査など複数の調査結果によると、理科が「好き」「役に立つ」とする児童や生徒の割合は、小学生が最も高く、中学生、高校生と学年が上がるにつれて減少していく傾向にあるようです。

 「海の色はなぜ青いの?」「タマネギを切るとなぜ目にしみるの?」―子どもたちの理科離れが叫ばれて久しい昨今ですが、本来ならば理科は子どもにとって一番身近な疑問・好奇心の対象と言えるのではないでしょうか。知識だけを身につけ、理科は難しい、覚えることが多くて大変だ、と理科離れをしてしまっているのは私たち大人の方なのかもしれません。子どもの理科離れに歯止めをかけるためにも、まず大人が理科の楽しさに気づき、子どもたちに伝えていくことが必要とされているのではないでしょうか。
 新学習指導要領の移行措置により、この4月から、理科の授業時間数が増加します。子どもにとっても教員にとっても、楽しく科学を学べる場を増やしていきたいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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