きょういくじん会議
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若手教員は塾で学び、道場で育つ? 東京都教育委員会
kyoikujin
2009/3/1 掲載
新卒教師でもすぐにベテラン並みの授業ができる (これ一冊で大丈夫!若手教師のための指導力アップ講座)

 ベテランの先生方は、いったいどこで自分の授業力を高められたのだろうか。先輩教師からの指導、日々の授業実践の中での自己研鑽、教育書を何十冊も読んだ、などさまざまだろう。一方、昨今増加している若手の先生方の中には、「道場」に通って授業力を高めている人がいるという。いったい、「道場」とは何であろうか。

教師道場で授業力UP!

 「東京教師道場」とは、東京都教育委員会が2006年より開催している授業力向上のための研修のこと。授業研究をとおして、2年間継続的に指導・助言を受け、教科等の専門性を一層高めるとともに、他の教員の指導的役割を担うことができる資質・能力を磨くことを目的としているという。
 この道場に参加する要件は、教職経験年数が5年〜10年、校長がリーダーとして育成したい教員、教科等の指導において高い専門性を身に付けたい教員、といったことがあげられている。区立の教員ならば、校長と教育委員会の推薦を受け、東京都教育委員会が指名して参加することができるとのこと。
 参加した教員は、1年間で13回の授業研究を行うという。授業研究前にWebメールを使って学習指導案を検討し授業を行ったり、研究協議会を行ったりしているようだ。そのほかにも、指導をする助言者による模範授業、体育などの実技指導研修、教材開発など、さまざまな研修が行われているとのこと。参加した教員向けのアンケートでは、授業力が向上したと回答している教員が約9割おり、評判は上々のようだ。

道場に入る前は塾で勉強?

 東京都教育委員会は、「教師道場」以外にも、「東京教師養成塾」という研修が行われている。教師養成塾とは、教員を目指す大学生向けに行われている研修で、研修の内容は、年間40日程度の特別教育実習のほか、指導計画作成や教材研究をゼミで学ぶことなどがあるという。
 調べてみると、このような大学生向けの研修は、東京都以外にも横浜市や京都市など各地で行われているようだ。
 大学のカリキュラムにそった勉強だけでなく、事前に教育委員会等の研修で力をつけ、学校現場で即戦力となることが各地で期待されていることの表れといえそうだ。

 団塊の世代が退職し、若手の先生方が増えている昨今、たくさんの学ぶ場が用意され、子どもたちのために授業力が向上するのは望ましいことだろう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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