きょういくじん会議
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教員養成時にメンタルヘルス対策―大学がセミナー開講
kyoikujin
2009/3/11 掲載
メンタルヘルス・マネジメント検定試験II種重要ポイント&問題集

 一般企業の社員と比較すると教員のうつ傾向は強く、メンタルヘルス対策の必要があることは、昨年11月のきょういくじん会議、「うつ傾向は一般企業の2.5倍―教師のメンタルヘルス」で取り上げました。教育委員会の多くはまだ具体的な対策を示せていないようですが、教員を養成する大学が、この問題と向き合っているようです。

 2月17日の毎日新聞の記事によりますと、埼玉大学教育学部では教員志望の学生を対象として、「ストレス・マネジメント教育」という特別セミナーを開講しているそうです。児童・生徒ではなく教員自身のストレス対処法を教える講義は珍しく、参加した学生からは「役立った」という反響が多数寄せられているとのこと。

 小学校英語の導入、新指導要領への対応、全国学力テスト、保護者への対応、学費・給食費未納、教員数の減少など、教員が対応を迫られる問題は多岐にわたり、ストレスの原因は今後ますます増えていくのではないでしょうか。教員に特有のストレスへの対処法を養成段階で学ぶことは、とても有意義な取り組みであると言えそうです。

 教員の抱えるストレスが大きいとは言うものの、一般企業の社員の間で広がる「心の病」も社会問題となっています。メンタルヘルス対策として、各種セミナーなどが開かれていますが、最近注目されているのはサラリーマン向けの「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」。人事労務・経営幹部、管理職、一般社員をそれぞれ対象とした3つのコースがあり、検定料も2〜4千円前後と手頃です。

 教員も会社員も含めて社会全体に広がるストレスや心の病。世の中が複雑化したせいなのか、人の心が弱くなったのか、その両方なのか。原因は単純ではありませんが、これらを抱えながらも働き、生きていくには、自分なりの方法でストレスと向き合い、うまく付き合っていく必要があるのでしょう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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