きょういくじん会議
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商社が結ぶ世界と日本―三菱商事が副教材でPR!
kyoikujin
2009/3/17 掲載
<業界の最新常識>よくわかる商社 (業界の最新常識)

 先週が卒業式、今週が終業式という学校が多かったようですが、そうなると、そろそろ次年度の指導計画を決めなくては、と考えている先生も多いかもしれませんね。新指導要領の移行措置や先行実施などで頭を悩ませている先生もいらっしゃるでしょう。3月5日の朝日新聞の記事によると、三菱商事が小学校高学年向けに、副教材を無料で配布するとのこと。次年度の指導計画に組み込まれてみるのはいかがでしょうか?

 この副教材は、社会科の時間や総合学習での使用を想定して作成されたようで、東京都内の小学校へ13万6500部が配布されるようです。三菱商事のホームページでは、副教材「世界をむすぶ産業と貿易」について、

 本教材は、国際社会における日本の役割を、総合商社の活動を通じ、漫画を使ってわかりやすく紹介しているもので、学習の手引きと合わせ、社会科および「総合的な学習の時間」で取り上げていただくことを念頭に作成しています。

と述べており、章立てとその内容も、

第1章 「自動車がむすぶ世界と日本―新しい貿易の姿」
 → タイにおける自動車事業/バリューチェーンにおける商社の役割
第2章「金属資源から価値を生みだす貿易立国日本」
 → オーストラリアにおける原料炭事業/日本の加工貿易と商社の役割
第3章「エネルギー資源の確保から生まれる国のつながり」
 → UAEにおける石油事業と都市づくりにおける商社の役割
第4章「食料資源の確保と世界と日本のバランス」
 → 米国からのトウモロコシ輸入/食料安定供給に対する商社の役割
第5章「物流で広がる 環境で守る 世界と未来」
 → 中国における商社の物流事業/環境への配慮

となっており、総合商社の活動についてもPRしたいという思いもあるようです。

 商社と言われても、言葉だけは知っているが、実際にどんな仕事をしている会社なのか、はっきりと答えられる人は少ないのではないでしょうか? 商社には総合商社と専門商社の2種類があり、ある特定の商品を専門に扱う専門商社に対して、今回副教材を配布する三菱商事を含め、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、豊田通商、双日の7社が、総合商社と呼ばれています。
 この総合商社という企業の形態は、日本独自の形態であると言われており、日本の経済成長に果たしてきた役割は非常に大きいものがあります。取り扱う商品の種類は「ラーメンから飛行機まで」と言われるほど幅広く、資源の輸入から製品の輸出まであらゆる取引を行うことによって大きな利益を生み出してきました。
 しかし、最近では日本国内の各企業が、自前で海外に支店や工場を持ち、貿易のノウハウを蓄積してきたことによって、総合商社に求められる役割も変化してきており、単純な貿易の仲介だけでなく、市場の調査や創設、または新たなビジネスの提案など、商社の機能も多岐にわたってきているようです。

 小学校5年生の社会科では、日本の農業や自動車産業を中心とした工業についても学びますが、この副教材「世界をむすぶ産業と貿易」には豊富な資料も載っているようですので、授業などで活用できるかもしれませんね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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