きょういくじん会議
まじめなニュースからやわらかネタまで、教育のことならなんでも取り上げる読者参加型サイト
学び直しの機会を提供―教育テレビ「NHK高校講座」
kyoikujin
2009/3/27 掲載
化学 2004年度 (2004) (NHKテレビ NHK高校講座)

 NHK教育テレビといえば、「おかあさんといっしょ」や「おしゃれ工房」、「趣味悠々」など、幼児から中高年まで年齢性別を問わず多くの人々に親しまれている教養テレビチャンネルです。そのNHK教育テレビで、早朝や深夜にかけて放映されている「NHK高校講座」という番組をご存知でしょうか?高校の学習内容を取り扱う、この番組で新たな取り組みが始まります。

NHK高校講座とは??

 「NHK高校講座」は、1953年に通信制高校の生徒の自宅学習の補助としてラジオ放送からはじまりました。その7年後にはテレビでの放送も始まり、以来、現役の高校生のみならず多くの人に学ぶ楽しみを提供する番組となっています。さらに現在では、番組の公式サイトでは放送内容を視聴することができ、テレビ放送で見逃した回や、もう一度見直したい回などを自由に見ることができます。

4月6日からスタートの「ベーシック10」

 19日の朝日新聞の記事によると、その「NHK高校講座」がこの春に「ベーシック10」と銘打ち、小学校の内容を含む義務教育内容の集中講義を行うようです。具体的には、国語、数学、英語の3教科について、各教科1日10分、難易度別に10段階で小学校中学年からの学習内容を振り返ることができるようです。
 記事によれば、このような番組制作に至った背景には,勉強でのつまずきから学習意欲をなくしてしまう生徒が多いことがあるようです。この番組では、そういった生徒のほか、年間7万人を超える高校中退者や、不登校となっている生徒にも含め、「学び直し」の機会をあたえようというねらいがあります。
 とはいえ、勉強は理解できるまでがつらいことが多いです。そのため番組内には、視聴する若者を飽きさせないような制作の工夫点を随所にみてとることができます。例えば、番組には人気急上昇中のお笑い芸人のオードリーを出演させたり、ラップ調の音楽にのせて問題を出題したりもします。また最近のバラエティー番組で主流となっている、1分前後の短時間のネタを立て続けに披露をする手法を取り入れ、1分間の学習クリップを次々と登場させるなど、わかりやすさに訴える仕掛けがあります。

広がる「学び直し」の気運

 近年、さまざまなかたちで「学び直し」の気運が高まっている様に感じます。
 大学では以前より高校の学習内容の補習講義が行われている実情があります。ただ、この場合は入試制度の変化や少子化の影響のため、上記とは背景となる事情はやや異なっています。
 また、身近なところでは生涯学習や資格検定試験、テレビのクイズ番組などからも、「学び直し」の気運が感じられます。社会としても多くの人にこのような「学び直し」に対する思いがあることは、喜ばしいことではないでしょうか。
 来週からは4月、新年度がはじまります。この節目に、みなさんも何か「学び直し」てみませんか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの受付は終了しました。