きょういくじん会議
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ノーベル賞受賞者誕生か? 理数科に特化した高校が開校
kyoikujin
2009/4/9 掲載
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 この春、横浜市に新しい高校が開校しました。この高校、ある大きな特徴によって、開校前から多くの注目を浴びています。新しい高校が開校してもここまで注目されることは少ないかもしれません。なぜこの高校は注目を浴びているのでしょうか。

 その高校の名前は、「横浜サイエンスフロンティア高校」。同校のホームページによると、同校の教育理念について以下のように紹介されています。

 学問を広く深く学ぼうとする精神と態度を培いながら、生徒一人ひとりが持つ潜在的な独創性を引き出し、日本の将来を支える論理的な思考力と鋭敏な感性をはぐくみ、先端的な科学の知識・技術、技能を活用して、世界で幅広く活躍する人間を育成する。

 この高校は、3月18日読売新聞などでも報じられたように、公立高校でありながら、電子顕微鏡室やナノ材料創製室、環境生命実験室など20室もの実験室や天体観測ドームなど理系大学並みの設備を完備している点が大きな特徴です。また、一般的な高校に比べて理系科目や探求型の学習に多くの授業時間を割いており、実習などもかなり専門的なものを行うそうです。
 さらに、東京大学名誉教授の和田昭允氏やノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏などをスーパーアドバイザーとして迎え、教育方法などについて指導助言を行っているとのことです。
 5日の毎日新聞によると、5日の開校式の際には、小柴氏が祝辞を述べたり、野依良治氏や毛利衛氏ら、著名な科学者から祝電が寄せられたそうです。現代科学の第一人者からのメッセージは、高倍率の試験をパスした新入生にとって、嬉しい激励となったことでしょう。

 さらに、株式会社扇島パワーという会社は、技術顧問として同校をサポートするだけではなく、スポンサーとしても同校の教育に大きく貢献しているそうです。同社によって、「燃料電池実験講座」「新素材研究講座」といった講座が提供され、経済的なことを心配せずに学ぶことができる仕組みになっています。このようなスポンサー企業の存在によって、理系大学の付属高校でなくとも、専門的で高度な科学を学べ、生徒さんにとっても良い刺激になるかもしれません。ここでしか体験できないような多くの科学の現象を学んでほしいものです。同校から理系好きが巣立つだけでなく、将来、世界の科学を引っ張る科学者が誕生するかもしれませんね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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