きょういくじん会議
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これからごはんは週3日―米飯給食で非行ゼロ?
kyoikujin
2009/4/12 掲載
ごはん給食が子どもの体を守る―じょうぶな子どもをつくる基本食 学校給食編

 3日の朝日新聞記事によると、文部科学省は、学校給食で米飯を出す目標回数について、「週3回以上」とする通知を各都道府県に出したそうです。それまでの「週3回程度」からほんの少しだけ引き上げたことになります。時事通信出版局の4日のニュースによると、米飯給食の回数を増やすことで伝統的な食習慣の定着や食料自給率の向上につなげる考えとのこと。

 従来の「週3回程度」という目標が決められたのは1985年で、当時の米飯給食の全国平均は週1.9回。その後は上がり続け、2007年度の調査で初めて全国平均が週3回となりました。
 週2.5回と最も少ない神奈川県の神奈川県学校給食会によると、小麦粉が70gのコッペパンは39.20円で、米飯は同じ70gで56.80円です。米飯給食は設備投資なども必要で、パン給食に比べ割高になり、保護者の負担も大きくなってしまうという事情があって、特に都市部ではなかなか米飯給食の回数が上がらないそうです。

 全国農業協同組合中央会のごはんで給食応援団では、米飯給食で非行ゼロとして、長野県小県郡真田町(現長野県上田市)で米飯給食によって荒れた中学校をおさめた例を紹介しています。米飯給食を推進した大塚貢氏が中学校の校長だった当時、真田町の学校給食は週6日制で、米飯は2食、パンが3食、麺類が1食という割合でした。これを米飯を増やし栄養バランスのよい給食となるよう改革していきました。食材にもこだわり、地場産、低農薬の米や野菜を使用するようにし、同時に、花作りなどの土から育てた美しいものを大事にしていく『心の教育』も行いました。
 この結果、中性脂肪、高脂血症、貧血、アトピーの生徒・児童は少なくなり、授業、集会などの集中力も高くなったそうです。「親が『インスタントものは買わないようにしよう』と決意するなど、家庭への波及効果も見逃せません」と大塚氏は語っています。

 日本の食の基本である米と、それに合わせたおかずは、やはり日本人の体に合っているのではないでしょうか。米飯給食が増えることで、食生活の改善はもちろん、健康や学習へもよい影響が出ることが期待されます。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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