- きょういくじん会議
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9日、警察庁の検討委員会は、幼児2人を自転車の前後に乗せる3人乗りについて、一定の安全基準を満たした自転車に限って認める方向で最終報告書を公表した。現在は道路交通法などで禁止されている3人乗りだが、保護者からの要望を受ける形で、早ければ7月から条件つきで認められるようになる。
昨年3月の記事でも取り上げたように、自転車の3人乗りは危険性の面から道路交通法などで禁止されている。しかし、多くの保護者が3人乗りを支持するなどの社会的ニーズが見られたため、警察庁は昨年4月「子育て支援」の観点から検討委員会を発足させ、安全面の条件などについて検討してきた。今回の最終報告で発表された「幼児2人同乗用自転車に求められる要件(PDF)」では、3人乗り自転車の安全基準が詳細に示された他、幼児のヘルメット着用が求められた。
試乗会での保護者の反応は?
この発表は3月の試乗会の結果を受けている。試乗会では、財団法人・自転車産業振興会の助成金制度を活用した数社のメーカーが、安全性の高い自転車を公開した。その様子は同委員会の「子育て支援を求める母親にどう応えるか(PDF)」で確認でき、70人の保護者へのアンケートも公開されている。
アンケートによれば、試乗できた10社の自転車は、重心が低かったり3輪になっていたりと様々な工夫がこらされ、その安全性は概ね好評だった。しかし、価格が従来品の1.5倍から2倍以上の値段になることもあり、「購入するか?」という質問に対しては消極的な回答となった。
「子育て支援」としての自転車のあり方とは?
価格を下げられない理由の一つに市場の小ささがある。同委員会の「自転車の幼児同乗に関するアンケート調査結果(PDF)」によれば3人乗りを経験したことがある保護者は、全体の12.7%となっている。自転車産業振興会の「自転車生産動態・輸出入統計(PDF)」を見ると、国内向け出荷数の約1013万台のうち、ママチャリと呼ばれる軽快車の出荷数は475万台とされているので、3人乗り自転車の需要はそれよりもかなり絞られると考えられる。また、保護者が3人乗り自転車を必要とする期間も限られており、6万から7万と予想される価格では「購入に踏み切れない」という声が多く上がっている。
ヨーロッパでは、前輪が2輪になった転倒しづらい自転車を、自治体やNPO等を通じて安価で貸し出す制度があるそうで、試乗会のアンケートを受けた提言でも、同様のレンタル制度の検討が求められた。
同委員会の議事録にもあるように「自転車の構造」だけでは本当の安全は確保できないのだろう。3人乗り自転車の普及や、行政支援のあり方、安全な走行環境の整備等についても今後の活発な議論が期待される。
また、最終報告では、利用者側も幼児を同乗させるリスクと、安全に走るルールへの理解が不可欠であるとされている。7月の解禁を機に、交通ルールやマナーについて改めて関心をもってみるのもいいのではないだろうか。
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