きょういくじん会議
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子どもから大人まで、みんなで親しむ「農業」の世界
kyoikujin
2009/5/17 掲載
「田んぼの学校」まなび編

 最近、巷では「農業」が脚光を浴びているようです。農業関連書籍は今年に入ってから50冊以上が出版されており、多くの雑誌でも農業の特集が組まれているとか! その背景には食の安全意識の高まり、日本の食料自給率への危惧などもあるようですが、今、そのブームにのって、全国各地で子どもから大人までさまざまな人を対象とした農業活動が行われています。

都会の真ん中で学ぶ農業

 14日の朝日新聞の記事によると、東京の中心・丸の内で早朝から行われている農業の勉強会が人気を呼んでいるそうです。出勤前の会社員も多数参加しており、職種や受講する理由もさまざま。近年は特に、実際に農業を仕事としたい、という若者も増えているようです。仕事としての農業を取り巻く環境はまだまだ厳しいという意見も多くありますが、熱意を持った若者によって日本の農業が復活する日も、ひょっとしたら夢ではないのかもしれません。

若者の街に現れた田んぼ

 なんと、若者の街・渋谷でも農業が行われています。渋谷近郊に住む若者を中心とした「渋谷田んぼCLUB」は、5月4日に渋谷の中心とも言える公園通りで、55基のプランターで田植えをしたそうです。年間を通して雨乞い、収穫祭、新嘗祭などの農業に関連する行事も行っていくとのことで、これからは稲が渋谷の街に季節を運んできてくれるかもしれませんね。

各地に広がる「田んぼの学校」

 古くからある水田、ため池、里山などを遊びと学びの場とし、子どもたちと大人が一緒になって農作業や自然観察などを体験する「田んぼの学校」が全国に広まりつつあります。
 「田んぼの学校」は、平成10年に当時の農水省や文部省などを中心として、環境教育の一環として提唱されたものですが、決まったメニューが存在するわけではなく、具体的な活動内容は任意の主体に任されています。子どもたちにとっては、自然環境について学ぶだけではなく、場合によっては食農教育や郷土の伝統文化もともに学べる、またとない機会となっているようです。

 「農業」を通して見えてくる日本社会の問題、環境問題、食の問題…普段はあまり意識していなくても、この農業ブームをきっかけに、少し見つめ直してみるのもいいかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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