きょういくじん会議
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こんな大学教師はいやだ? 大学教育学会に注目!
kyoikujin
2009/5/28 掲載
大学改革がわかる。 (アエラムック 93)

 「授業の準備をしない」「殴り書きで板書が読めない」、こんな先生にはできれば当たりたくないですよね。25日の読売新聞によると、山形大学など4大学の教職員や学生が「あっとおどろく大学教師NG集!」というビデオを制作しました。

 このビデオは6/6、6/7に首都大学東京南大沢キャンパスで行われる大学教育学会の第31回大会で発表されます。同大会の総合テーマは「教育者としての大学教員」。二日目の「授業改善」に関わる自由研究で、ビデオ版授業改善チップス集の開発例として提案されます。

 昨年12月の記事でもお伝えしたように、「学士課程教育の構築に向けて(答申)」以来、大学教育改革に関する取り組みが様々に行われています。
 なかでも、FD(Faculty Development)の実施は大学設置基準等で各大学に求められ、普及してきてはいるものの、その具体的な内容・方法・評価等については未だ課題が多いようです。ちなみにFDとは文部科学省の用語解説(PDF)によると「教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称」。今回のビデオの普及により、「ダメ教員とはどんな教員か」の共通理解を図り、大学教員の授業力向上に役立てられることが期待されます。

 「知識基盤社会」においては、「○○学部卒業です」ということはほとんど意味を成さず、国際的に通用する「学士課程」を規定し大学教育の質を保障することが大学改革の目標とされました。
 しかし大学の教員は「教育者」である一方、各専門分野の「研究者」でもあります。2005年には日本リメディアル教育学会が発足するなど、「教育者」である側面が強調されがちな昨今ではありますが、それぞれの研究活動に支障が出るようではいけませんよね。「教えるのは上手だけど中身が古い」じゃ困ります。

 教員免許更新制度も始まり、現職の小・中・高校等の教師からも見られることが多くなる大学教員。授業力と研究力の両立は大変だと思いますが、心からエールを送りたいと思います!

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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