きょういくじん会議
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アンネから交換日記まで―日記を考える
kyoikujin
2009/6/20 掲載
アンネの日記 スタジオ・クラシック・シリーズ

 12日は、「日記の日」だったのをご存知ですか? 『アンネの日記』で知られているユダヤ人のアンネ・フランクが1942年の6月12日に日記を書き始めたことに由来するそうですが、今年は、アンネ・フランクの生誕80年にも当たり、ばらばらに保管されていた3冊の日記すべてがこのたびアンネ・フランクの家(アンネ・フランク記念館)に寄贈されたそうです。皆さんご存知の通り、迫害にあっても尚、生き続ける希望を持ち続けるアンネのひたむきさと強さが多くの人の共感を呼び、70以上の言語に翻訳されているという、言うなれば「世界で一番人の目に触れた日記」と言えるかもしれません。

 さて、皆さんの周りでは、日記をつけている人はどのくらいいますか? メールやブログを日記代わりにしている方も多いとは思いますが、ノートに書く日記をつけている人は少なくなっているかもしれませんね。では、友だち同士や親子間で交換していた昔懐かしい「交換日記」は、今でも残っているのでしょうか。

 そんな疑問から、文具を扱うサイトや文具店をのぞいてみた所、ありました、ありました!昔は、大学ノートやキャラクターノートに自由に手書きしていた交換日記ですが、今では「交換ノート」という商品名で発売されているものがあり、メンバー紹介から始まり、どのページにも「今日楽しかったこと」のように書く内容が限定されているものが多いのが特徴的です。ノートを自由に使ってイラストを描いていた交換日記を知っている者としては、なんだか物足りない気もしますが、「交換日記」そのものは続いているんですね。また、今や「レンタル交換日記」という交換日記(をする場所)を提供するサイトも存在しているということです。

 また、学校の先生が生徒と交換日記を始めたところ、ひきこもりや不登校の生徒が少なくなったという話も聞きます。面と向かっては話せないけれど、交換日記に毎日のことを書き綴るうちに素直に書けたり、ちょっとした気持ちの変化、悩みに先生が気が付くといった良い面があるのかもしれません。

 暗いニュースも多く、精神疾患や不登校が多い今だからこそ、周りの人と交流するため、また、自分の気持ちを整理するためにも日記をつけることは役立つかもしれません。また、ブログのように不特定多数の人に自分の日常や気持ちを綴るだけでなく、自分のことを分かってくれる友達や側にいて支えてくれる先生、家族とのコミュニケーション手段の一つとして手紙や日記の交換が広がってもいいのではないかと思いました。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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