- きょういくじん会議
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13日の朝日新聞の記事によると、研究機関の特許を調査・分析する「パテント・リザルト」という会社が、注目度の高い特許を持つ研究機関の、08年度ランキングを発表したとのこと。研究専門の機関がやはり多数選ばれていますが、教育機関でもある大学も、上位20位中7校が選ばれました。前年に比べ2校多く、大学が健闘した年だった、と記事では伝えています。
ランキングの決め方
パテント・リザルト社によると、このランキングは単純に特許を持っている数の多い順、というわけではありません。数に加え、個々の特許がどれだけ閲覧されたか、競合他社などにどのくらい邪魔な存在だと捉えられているか、といったデータを複数組み合わせ、特許の価値を決めているそうです。パテント・リザルト社の発表を見ていくと、1位の産業技術総合研究所は特許件数が7133件と2位に倍近い差をつけていて、それが直接高い評価に繋がっていますが、一方で慶應義塾大学はわずか144件ながら、それぞれの特許の質の高さが認められ4位にランクインしています。
特許とは
特許を取得しようと日々数多くの申請が行われていますが、その全てが実際に特許の取得まで繋がるわけではありません。特許庁のホームページには、特許による保護の対象として、
特許法第2条に規定される発明、すなわち、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものを保護の対象とします。
と明記されています。ランキングでは同じ特許でも重みが違うとしていますが、特許と認められるにはオリジナリティに加えて高度な内容であることが求められ、特許であることそのものが、研究内容が一定以上の質だと認められた証拠とも言えそうです。
韓国の特許教育事情
上記のように、特許であることはそのまま自身の研究成果の保証になります。また、もっと直接的な恩恵としては、他の人が自身の特許技術を使用すれば、特許料を受け取ることができます。そうした価値がやはり世界でも重要視されてきているのか、例えばお隣の韓国を見てみると、JETRO(日本貿易振興機構)の韓国での事務所であるJETRO seoul centerが08年7月14日に掲載した記事によれば、在学中に必ず特許に関連した授業を取らなければならないとする大学が出てきていて、特許への意識の高まりを感じることができます。
大学にとっての特許
大学で特許への意識が高いことは、研究を行う教師や学生にとって、研究へのモチベーションを高めることにつながるのではないでしょうか? また、資金が潤沢といえない学校でも、特許使用料が次の研究への手助けとなるのではないでしょうか? 専門の研究機関と比べても遜色ない実績を挙げる大学が多いことを頼もしく感じます。これからも、大学の頑張りを期待したいところです。
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