- きょういくじん会議
![書店経営者が書いた万引き防止の完全対策―書店・レコード店・その他小売業の万引き防止マニュアル](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4806121096.01.MZZZZZZZ.jpg)
8月27日の産経新聞によると、警視庁が万引きで摘発した1000人への聞き取り調査で、高齢者は孤独から、少年はゲーム感覚で行ったという意見が目立ったとのこと。高齢者の孤独から、という意見に悲しさを感じる一方で、少年のゲーム感覚という意見は、以前から言われていることとは言え、未成年の意識改革の必要性をあらためて感じさせます。
07年7月31日の記事で、大阪府の中学3年生15人が、修学旅行先の東京ディズニーランドで集団万引きをしていた、という記事をお伝えしましたが、これなどもゲーム感覚による典型的なものと言えそうです。
盗んだものを転売できない仕組み
万引きの被害を多く受ける業種としては、書店がよく取り上げられますが、本は「古本」という形で転売が可能なため、小遣い稼ぎの感覚で一度に10冊、20冊盗むという悪質な例も多く報告されています。08年4月24日の読売新聞の記事によると、大手書店14社が発表した本の万引きによる被害額は、年間40億円にもなるのだとか。万引きが原因とされる書店の倒産も実際に多く報告されていて、そうした現状に歯止めをかけるための大規模な取り組みとして、06年7月26日の読売新聞の記事では、福岡県での試みを紹介しています。客が買った本やレシートに「販売証明シール」を張り、古本として引き取る側が、シールがなく売り手が不審な場合は買い取りを拒否するようにしたのだとか。前述した大手書店の発表によると、盗んだ本の7割は換金目的とのことですから、売る先がない、ということになれば万引きの件数を減らす効果は期待できるかもしれません。
エコが助長する万引き
他にもスーパーなどで見られる悪質な手口として、8月7日の産経新聞の記事ではマイバッグを使用した万引きの手口が紹介されています。エコに対する意識の高まりとともにマイバッグを持参する人は増えていますが、それを悪用する手口というのは、なんとも嫌な気持ちにさせられます。
万引きを抑制するための教育
万引き、特に未成年による万引きは、ともすると若気の至り、などと言って済まされがちです。しかし前述したように、万引きが店を倒産にまで実際に追い込んでしまうということ、ひとつの商品を盗まれるとそれをカバーするために同じ商品を何倍も売らなくてはならないこと。万引きをされることで、その後実際にどういったことがおきるのか。万引きはとにかくダメ、と言うだけより、経済などの視点と絡め、学校などでもより積極的に教えられれば、子どもたちに色々な角度から物事を見ることのできる広い視野を持たせ、万引きへの罪悪感を高めることにつながるかもしれません。
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