きょういくじん会議
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世界から学ぼう―オーストラリアの教育事情
kyoikujin
2009/9/8 掲載
多文化社会オーストラリアの言語教育政策

 オーストラリアでは、日本語教育がとても盛んなことをご存知ですか。世界でも、韓国、中国の次に日本語を学習している人の多い国として、97%の小・中学校で日本語教育が取り入れられているそうです。今日は、赤道を挟んで反対側にある、オーストラリアの教育を垣間見てみようと思います。

 オーストラリアには移民が多く、子どものころからいろいろな文化に触れさせることが大切であるという考えから、積極的に外国語教育が取り入れられています。

 その内容は、文法事項を習得するというよりも、異文化教育の一環として、様々な文化に触れ、違う考え方や価値観をもつ人がいることを知ることで、自然と受け入れることができるようになることが重要な目的であるようです。時間数や学習期間などは学校や地域によって様々ですが、主に選択科目として、日本語は第一外国語の人気ナンバー1だそうです。少し親近感を感じますね。

 オーストラリアでは、国内共通のカリキュラムはあっても、日本に比べると大まかで、日本の学習指導要領のような法的な拘束力はありません。また、国によって定められた教科書もないため、先生方は子ども一人ひとりの学習能力などをしっかりと見つめ、その教科・学習課題に適しているものを、随時選択したり自作したりしているようです。

 また、オーストラリアの教育は、教科の枠を超えて思考力やコミュニケーション能力の育成が大変重要視されていること、また子どもたちの自由な発想や意見を促し、考えさせる授業の姿勢があることで知られています。

 ある歴史の授業でイヌイットの人々について勉強しているとき、先生がイヌイット語のアルファベットにあたる文字のかかれたプリントを配布し、子どもたちに「自分たちの名前をつづってみましょう」と声をかける場面があり、「言葉」への興味・関心を高める工夫があちこちでされているのかな、と感じました。

 また、モーニングティーの時間と呼ばれる、日本では「中休み」にあたる午前中の20分ほどの休憩時間があります。先生たちはスタッフルームでお茶やお菓子を食べながらおしゃべりをし、子どもたちもタックショップと呼ばれる売店で売っているお菓子などを食べることができます。オーストラリアらしい、のんびりとした時間ですね。

 ほかの国で行われている学校の様子や授業風景などに時折目を向けることで、様々な視点から教育を学ぶことができるかもしれませんね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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