きょういくじん会議
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知っているようで知らない? 「水」を学ぼう
kyoikujin
2009/9/7 掲載
やっぱり安心水道水―正しい水のお話

 「水」は私たち人間にとってなくてはならないものです。人間の体重の約60〜70パーセント、つまり私たちの半分以上を「水」が占めているといわれています。
 今日はそんな私たちにとって欠かせない、身近な存在である「水」に触れてみたいと思います。

◎「おいしい水」とは?

 昔では防災用くらいにしか考えられなかった「水のペットボトル」。最近はどこでも自然に見られるようになりました。
 その中で特によく見られるフレーズが「おいしい水」です。ところで、この「おいしい水」とは、一体どんな水を指しているのでしょうか?
 厚生省(現厚生労働省)が設立したおいしい水研究会は「おいしい水」は以下のような項目で条件を満たすものだと発表しています。

蒸発残留物
…ミネラル分などのこと。
 これが多いと苦味や渋味を感じ、適度だとこくやまろやな味がします。
硬度
…主なミネラル分のカルシウムとマグネシウムの量。
 硬度が低い水を「軟水」、高い水を「硬水」、さらに硬水の中でも比較的硬度が低いものを「中硬水」と呼びます。軟水に比べて硬水は味にくせがあるので、好き嫌いが分かれます。
遊離炭酸
…水の中に溶けている炭酸ガスのこと。
 適度だとさわやかな味になります。
過マンガン酸カリウム消費量
…水の中の有機物の目安。
 多いほど、渋味が強くなります。
臭気度
…水についているにおいの強さ。
残留塩素
…水道水の消毒用に使われる塩素の濃度。
 いわゆる「カルキ臭」の原因です。
水温
…冷たい水はおいしいと感じます。
 また、水を冷やすととにおいも気にならなくなり「カルキ臭」対策にも有効です。

 このように、「水」に含まれるいろいろな成分によって人間の舌は「おいしい」といった味覚を感じるので、混じり気のない純水は、かえって「まずい」と感じる人が多いそうです。

◎水道水をおいしく飲むには?

 水道水は浄水場できれいに磨かれ、私たちの家庭に運ばれてきます。ところが、水道管の汚れなどにより、水が「まずく」なってしまうときがあります。そんな時、私たちに最も身近な飲料水と言える水道水をおいしく飲むにはどうすれば良いのでしょうか?
 上にもあるように、水は冷やして飲むとおいしく感じます。また、冷やす前に、一度沸騰させると消毒用の塩素を飛ばすことができるので、さらに効果的です。
 さらに、水には硬度によって適した用途がありますので、料理の際に参考にすると一味ちがったおいしさになるかもしれません。

軟水(硬度100以下)
…まろやかな味ですので、日本料理やお茶によく合います。
例)昆布・鰹だし、炊飯用の水、緑茶・紅茶、コーヒー
中硬水(硬度100〜300)
…こくがでてきますので、肉など洋風の料理に合います。
例)洋風だし、鍋物、しゃぶしゃぶ
硬水(硬度300以上)
…苦味はありますが、ミネラルが豊富で、お通じも良くなります。
例)ミネラル補給(スポーツ後、妊娠中など)、便秘解消

◎もっと水を学ぶには?

 特に子どもたちにもっと水のことを知ってもらうために、サントリーでは「水育」をテーマにしたさまざまなイベントを開催しています。体験しながら学べるイベントですので、お子さんと一緒に参加してみてはいかがでしょうか。
 また、大人向けにはビール工場の見学なども、水へのこだわりを学ぶことができる手段のひとつです。
例えば、アサヒのビール工場では、工場見学を随時受け付けており、20歳以上の大人はビールの試飲をすることもできます(なんとおつまみがつくことも!)。
 このような水に関するイベントは、各地域で行われています。知っているようで、知らない「水」という存在。これを機会にもっと親交を深めてみてはいかがでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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