- きょういくじん会議
![大久保利通 (講談社学術文庫)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4061596837.01.MZZZZZZZ.jpg)
先月のことです。ある小学校の先生とお話したときに伺った「テストで歴史上の人物が何をしたのか答えられない子どもが多いのよね」というお言葉。本当にそうなの?という気持ちから、少し調べてみました。 歴史上の人物の知名度はいかに?
少し前になりますが、2008年6月28日の読売新聞の記事は、国立教育政策研究所が発表した歴史上の人物についての調査結果を伝えています。 その調査では、全国の小学6年生3000名に、歴史上の人物の名前と業績が一致するか調べたようですが、正答率が最も低かったのがこの記事のタイトルにもなっている、大久保利通(23.5%)で、その次に低かったのが木戸孝允(25.4%)でした。また、大久保や木戸に関わらず、幕末から明治にかけて活躍した人物のほとんどが50%以下の正答率 だったようです。
では、逆に、正答率の高い人物は…というと、1位は卑弥呼で正答率は何と99%だそう。ほぼ全員が正解しています。そして、次がザビエル、ペリーと続いたようです。なるほど、卑弥呼=邪馬台国の女王、ザビエル=キリスト教を伝える、ペリー=黒船で来航、 とそれぞれの業績がとてもわかりやすい人物ばかりです。また、ザビエルやペリーなどは、今すぐ思い浮かぶくらい教科書に出てくる顔のインパクトも強いですね。
確かに、それらの人物にそれに比べると、明治新政府の中心として政治を動かしていた大久保や木戸の業績を小学生にわかりやすく伝えるには先生の工夫が必要そうです。大人でも大久保=○○、木戸=○○の○○にあてはまる業績をすぐに答えるのは難しいのではないでしょうか。
中学校の先生と話すと、「小学校は人物についての調べ学習が中心だから、歴史のつながりや流れがわかってなくて困る」何て、今度は別の愚痴(?)が聞こえてくることもありますが、その人物についてですら、きちんと人物名と業績を理解させてから小学校を卒業させるのはなかなか大変なのが現状のようですね。
小学生を歴史好きにするには、やはり人物学習を通して、というのが一番近道なように思います。教科書にはのっていないエピソードなども加えて興味・関心をもたせてあげたいですね。例えば…、頭脳明晰で冷静だった大久保の唯一の趣味は囲碁で、囲碁をすることでリラックスしていた、などというエピソードはいかがでしょうか。
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