きょういくじん会議
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国交省庁舎内に保育園開設
kyoikujin
2009/9/11 掲載
働くママが日本を救う! 「子連れ出勤」という就業スタイル

 「敷居が高い」、「固い」というイメージの官庁内に、子どもたちのにぎやかな声が響き渡る―。8月22日の毎日新聞によると、この10月、霞が関の国土交通省の庁舎内に保育所「かすみがせき保育園」が開設されるそうです。

 開設したのは教育関連会社「小学館集英社プロダクション」。省庁の職員以外も利用可能で、このような施設が開設されるのは初めてとのこと。省庁や企業が立ち並ぶ街で、子どもと一緒に通勤―というほほえましい姿が見られるようになりそうです。

全国の保育所をめぐる状況は?

 今、保育所は次第に増えつつあります。とはいえ、保育所をめぐる環境は、まだまだ十分とは言えません。厚生労働省「保育所の状況(平成21年4月1日)等について」によると、保育所の定員数は前年比11,000人増で2,132,000人となった一方、待機児童数は5,834人増の25,384人いるそうで、保育を希望する人に対して施設の設置等が追いついていない状況です。中でも東京都は、他の都道府県よりも待機児童数が突出して多く、7,939人いるとのこと。年度途中から保育開始するのはほぼ無理、年度初めからも子どもを預かってくれるかどうか…という地域もあり、先の見えない状況に不安を抱えている家庭も多いようです。

衆議院選挙効果は?

 このような状況の中、8月30日に行われた衆議院選挙では、子育て支援が争点のひとつとして大きく取り上げられていました。今回大勝した民主党のマニフェストによると、待機児童については次のような政策を挙げています。

14.保育所の待機児童を解消する
【政策目的】
○縦割り行政になっている子どもに関する施策を一本化し、質の高い保育の環境を整備する。
【具体策】
○小・中学校の余裕教室・廃校を利用した認可保育所分園を増設する。
○「保育ママ」の増員、認可保育所の増設を進める。
○「子ども家庭省(仮称)」の設置を検討する。

 子を持つ親にとっては、「子ども手当て」のような現金支給もありがたいですが、そのお金を有効に使える環境整備にも力を入れてもらいたいものです。待機児童に対する政策が実現し、「出産・育児休業を終えて職場復帰したいけれど、保育所が見つからない」、「就職したい、でも、子どもを預かってくれるところがない」という子どもをもつ家庭の悩みが解消される日が待たれます。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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