- きょういくじん会議
![親子で楽しむこども和算塾 (寺子屋シリーズ)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/462562410X.01.MZZZZZZZ.jpg)
近ごろ、巷で「和算」人気が熱を帯びていることをご存知ですか。理数嫌いな子どもたちが多いと言われるなかでの「和算」人気。いったいどんな秘密があるのでしょうか。
和算とは、江戸時代に日本で発達した算数のことです。算数に強い国といえば、2桁の九九まで暗誦できるというインドを思い浮かべるかもしれませんが、かつて、「和算」という独自の文化を築き上げていた日本はまさに「算数大国」でした。「算聖」として崇められていた関孝和はニュートンよりも早く、微分・積分の一歩手前まで迫っていたそうです。江戸時代の日本人が算数に夢中になっていたなんて、驚きですね。
◎親子で楽しく学ぶ和算
そんな和算を親子一緒に学べる本が「親子で楽しむ子ども和算塾(寺子屋シリーズ1)」です。江戸時代に使われていた和算のテキストを、お話を交えた15問のクイズにしてあり、とても読みやすい構成になっています。「鶴亀算」から始まり、「町見術」、「盗人算」、「油分け算」などユニークな和算の世界に、私も夢中になってしまいました。
◎そろばん復活
また、日本の電卓「そろばん」も再び脚光を浴びています。9月2日の産経新聞でも、そろばん人気が復活していると伝えられています。塾でそろばんが取り入れられたり、小学校で「計算科」というそろばんを使った授業が行われていたりしているそう。さらには任天堂DSでは「そろばんDS」なんていうソフトが出ていて、こちらも大人気だということです。
◎算数っておもしろい!
和算の一番いいところは、楽しく算数を学べる点にあると思います。学校で習う算数とは違って、和算は人々の生活と強く結びついています。昔の日本人は、そんな和算を知恵遊びとして純粋に楽しんでいたのです。江戸の人々が夢中になっていた「和算」を学ぶことで、算数のおもしろさに気づくことができるのかもしれませんね。
◎算法少女
余談となりますが、小説「算法少女」にはそんな、江戸時代の算数への情熱が描かれています。この小説は一度絶版になったにも関わらず各界からの根強い声により、2006年、30年ぶりに復刊となりました。物語は、父から算法を教わる13歳の町娘あきが奉納された武家の息子の算額に誤りをみつけるところからはじまって、様々な算法勝負をくりひろげながら山あり谷ありと展開していきます。
算法勝負に挑むあきを見ていると、算数の純粋なおもしろさを思い出すことができます。児童書でありながら、数学の先生たちからも愛されている「算法少女」。秋の夜長に一読してみてはいかがでしょうか。
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