きょういくじん会議
まじめなニュースからやわらかネタまで、教育のことならなんでも取り上げる読者参加型サイト
万引は出来心? 子どもを叱れない親達
kyoikujin
2009/10/7 掲載
モンスターペアレントの正体―クレーマー化する親たち (シリーズCura) )

 産経新聞の9月26日の記事によると、子どもの万引を通報した店側に「通報されて子どもがショックを受けた」「商品を子どもが欲しがる場所に置いておくのが悪い」などとクレームを付ける親が増加しているそうです。警視庁の統計資料では、今年1〜6月に万引で摘発された少年は、前年の同期間より8.2%増え、1万3726人もいると同記事では伝えています。ゲーム感覚で万引きしたり、友達がやっているからという子ども達の安易な考えが、件数増加に繋がっているのかもしれませんが、大人からの厳しい戒めがなければ、ますます犯罪を助長するのは明らかです。

 平成17年5月に東京都青少年育成総合対策推進本部が発表した「万引に関する青少年意識調査結果」(PDF)によると、「万引に関する教育を受けたことがありますか」の問いに対し、「学校の授業」の38.2%に次いで「特になし」が38.0%と多く、3位の「保護者から」(29.0%)を上回っています。凶悪な犯罪報道が増える一方、万引というとほんの出来心でやってしまったと見過ごされがちですが、「窃盗」であることには変わりありません。家庭でも「人の物をとってはいけない」という当たり前のことを教えること、「万引」は犯罪であるということを教える必要があるのではないでしょうか。

 また、調査の中で「親は万引をした子どもに対して厳しく指導すべきである」について、「そう思う」の回答率は90.0%になり、「子どもの教育は親の責任だから」という理由が42.4%を占めています。子ども達が犯した万引という犯罪に対して、親にも責任があるということ、また、親が一緒に謝ったり、厳しく指導することが、本当の意味で子どものためになるのだということを親のほうが忘れているとも言えるのかもしれません。

 学校にクレームを言う「モンスターペアレント」が増加していることは、きょういくじん会議の中でも何度か取り上げていますが、こういった万引の現場にも登場してきているとは驚きでした。子どもが悪いことをしているのに叱れない、「褒めて育てる」を履き違えて、「悪いことは悪い」ときちんと指導できない親が増えていると、皆さんも実感されることが多いのではないでしょうか。未来を担っていく子どもたちの将来のため、日本の規範意識の回復のためにも、我々大人が見て見ぬふりをせず、指導してあげることが必要だと改めて感じました。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの受付は終了しました。